2025年夏 - 奥多摩・後山川青岩谷
埼玉県
東京都
山梨県
nakayamayu
体力度について
- GPS
- 12:09
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 1,563m
- 下り
- 1,716m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 5:57
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 6:18
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 5:51
| 過去天気図（気象庁） | 2025年07月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
青岩の大滝の巻きでザイルを使用した |
写真
拍手
感想
参加者 中山、田中
参考文献
YAMAP雲取山・鷹ノ巣山・七ツ石山
25,000分の1地形図 雲取山、丹波
奥多摩渓谷調査団「奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート」山と渓谷社，1996
白山書房編「東京周辺の沢」2000
宗像兵一編著「東京起点沢登りルート120」山と渓谷社，2010
柏�麝看掘�岩崎元郎、小泉弘編「日本登山大系4［普及版］ 東京近郊の山」，2016
はじめに
家の都合でなかなか山に行けず1ヶ月に1回ペースに落ちている。そうこうしているうちに最高気温が30℃を越える日が続くようになってきた。加えて今年は空梅雨で6月末になっても通り雨は降れど長雨は降らない。
沢登りのチャンスを生かさないまま、体重計に乗ったら72kgを差していた。これはいかんと思い、沢に登ることにした。
せっかくなら泊まりがけがよい。しかし、今シーズンまだ1回しか沢を登っておらず体力的・技術的に不安がある。それに金曜日は飲み会がある。
簡単そうで1泊2日かかる沢を探した結果、後山川青岩谷に行くことにした。
青岩谷は雲取山に端を発し、後山川に流れ込む沢であり、紹介する沢登りのガイドブックも多い。「東京周辺の沢」では1級、「奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート」「東京起点沢登りルート120」では初級と評価されている。
青岩谷出合まで後山川林道を2時間強歩く必要があり、日帰りを困難にしている。かつては後山川林道に一般車も入れたようだが、現在は片倉橋にゲートがあり、自家用車を使っても林道歩きは免れない。
思い立ったのが1週間前で三条の湯にテント泊の予約をするとキャンセル待ちであった。キャンセル待ちを申し込んだが空くかどうか分からないし、空いたとしてもテント場が寿司詰めである可能性がある。
どうせ沢登りするなら入渓して好きなところで幕営してしまえばいいと思い、三条の湯には行かずに入渓することにした。テントを背負って入渓するので三条の湯に戻る必要もなく、帰りに長い後山川林道を通ることを避け、雲取山から鴨沢に下ることにした。
7月5日（土）
お祭バス停…青岩谷出合…青岩ノ大滝…青岩鍾乳洞
お祭バス停まで
田中君と奥多摩駅に集合する。臨時鴨沢西行きバスが出発したあと8:35発丹波山村役場行きバスに乗る。座ることができたものの立っている人もいたのでひざにザックを乗せた。
鴨沢でたくさんお客を降ろし、お祭バス停では私たち含め7人が下車した。パラパラと傘がいらない程度の雨が降っていた。
お祭バス停から青岩谷出合まで
青岩谷出合まで8.8kmの長い林道歩き。途中軽く一回休む。サンダルで歩いていたら左足の親指の付け根が靴ずれしてしまった。
林道終点には大きなバックホウとショベルローダが置いてあった。青岩谷橋の手前左岸に道があったのでそこから入渓するのかと思ったらつづら折れになって登っていくので引き返した。改めて「123ルート」を見ると橋を渡って右岸から入渓だったのでそれに従う。青岩谷へ下る踏み跡ははっきりしない。
11:38青岩谷出合着。沢たびを履く。初級の沢なのでハーネスはつけないで歩く。
青岩谷出合から青岩の大滝まで
しばらく河原歩きが続き、目立った滝もない。あっても2m程度で勾配が緩やかだったり容易に巻けたりする。
標高980m付近で左岸に合流する沢にはワサビ田らしき柵が見えた。
すいすい進んで標高1060m付近で一休み。ザックが重い。12:34着、12:41発。
12:54青岩の大滝下に着く。平凡な河原歩きに現れた大滝に驚く。
青岩の大滝を巻く
「ルート120」に触れられているとおり青岩の大滝の巻きが今回の遡行の核心であった。
大滝に向かって右の土砂崩れみたいなルンゼを登っていく。ぐずぐずしていて置いた足が沈む。ルンゼが左に曲がるあたりからいよいよ急になり登れなくなる。右手の斜面の木の根っこを登ればいいのではないかと後続の田中君にアドバイスを受け、ルンゼの右へ逃げる。木の根っこに支点をとってロープをフィックスして垂らした。
田中君と木の根っこ下で合流したあと、田中君にザイルを伸ばしてもらう。というかハーネスをつけていないのでザックの肩紐にザイルの末端をかけただけで確保はしていない。田中君が右手斜面の少し安定した木にセルフビレイを取ったので私も追いかけて登る。
振り返ると事前にネットで見た「残置ロープ設置禁止」の看板と踏み跡っぽいトラバース道が下の方に見える。看板の位置で正規の巻き道が分かるが、不安定なルンゼをトラバースできない。「敗退」の2文字がよぎるが、とりあえず看板と同じ高さまで懸垂下降で降りる。
ルンゼのトラバースに乗り気になれない私は下山しようかと思っていたが、田中君がロープつけて近寄ってみるというので行かせてみることにした。ダメだったら懸垂下降させればいいと思い、懸垂トラバースさせたが、結果からいうと普通に確保してザイルを伸ばしてもらったほうがよかった。
田中君は慎重にトラバースし、看板とルンゼの間の2mほどの段差をルンゼを少し登ってから巻いて乗っかった。あとは不安定な斜面を木をつかみながら下り、看板のすぐ上に着いた。
田中君に確保してもらいながら私はトラバースしたが、ザイルなしで巻くのは怖い。
看板上の踏み跡っぽいトラバース道まで出ればザイルは不要ですたすた歩ける。尾根に出てザイルを回収する。
尾根を乗っ越してまたザレたルンゼを下る。こちらは木の葉が積もってたりしてさほど傾斜はなくザイルなしで下ることができた。
14:51水辺にたどり着き、安心して休む。巻きにまる2時間かかったことになる。
オンラインではザイルを出している記録を見かけなかったので油断していたが、実力不足なのかルート取りも足を置くのも難しかった。正直私は残置ロープがほしかった。
青岩の大滝から青岩谷鍾乳洞まで
15:00青岩の大滝上出発。平和な水辺を登っていくとものの10分で青岩谷鍾乳洞の道の看板に着いた。看板の下にはおあつらえ向きの幕営適地がある。時間も遅いしここに幕営することにする。
ついでなので鍾乳洞も見学してくる。とはいえ青岩谷から鍾乳洞は見えない。苔むした岩のガレ場を登っていくと大岩にぶつかる。踏み跡は左へ続いているようだが岩から離れるので三条の湯へ向かう道のようだ。踏み跡を右へ岩のバンドを渡っていくと鍾乳洞の入り口を見つけた。残念ながら門扉にカギがかかっており中を窺うことはできないが冷たい風が吹いてくるあたりはいかにも鍾乳洞であった。
青岩谷鍾乳洞下で幕営
水辺近くまで戻りテントを張る。田中君は焚き火をしたいようだったが、落ちている木は連日の雨でほとんど濡れており、私には火をつけられそうになかった。
予定通りの献立のうどんを作り食べる。持ってきたビールを1缶ずつ飲み、やることも無くなった17時過ぎに雨が降ってきた。行動中に雨が降ってこなかったのは幸いだ。ここのところ暑くて寝付きの悪かった私はさっさと寝ることにした。17:40就寝。
7月6日（日）
青岩鍾乳洞…獅子岩谷出合…左俣…三条タルミ…雲取山…鴨沢バス停
青岩谷鍾乳洞下にて
明るくなった5:00起床。夜はパンツとTシャツを着てシュラフカバーに入ったが寒くて頭まですっぽりかぶっていた。青岩谷鍾乳洞は標高1150mほどなので下界に比べれば寒いようだ。6:16出発。
青岩谷鍾乳洞下から獅子岩谷出合まで
「123ルート」「ルート120」に載っている2段6mの滝は朝から水の中に入りたくないので左から巻いた。だいたいの滝は巻いてしまうことができるので膝までしか濡らさずに済む。
標高1230m付近で左から机沢が合流すると右岸にワサビ田跡が続く。ワサビ田跡には広いところもあり、幕営できそうなところもあった。
6:51獅子岩谷出合着。当初はこの辺りに幕営するつもりだったがあまり広いところがなかった。YAMAPとヤマレコの活動再開を忘れていたので再開する。6:58発。
獅子岩谷出合から標高1650m付近水涸れまで
獅子岩谷出合から右の本流を行く。小滝を登っていくと7:23、標高1390m二俣着。三条ダルミに出るので左俣を行く。5mほどの扇状の滝は左から巻く。
7:43、倒木の多い1570m二俣。左俣を行く。ワサビ田の石積みが残っているがこんなところまでどこからワサビを取りに来ていたのだろう。
スダレ状の8m滝は左から巻いた。田中君は右から巻いて出てきた。
あとは左へ左へと水流を辿っていくがなかなか水流が尽きない。
標高1650m付近水涸れから三条ダルミまで
8:15、標高1650m付近でようやく水涸れ。水汲み休憩とする。あと登山道まで100mほどと言ったら田中君がタワマン1個分くらいっすよと鼓舞するように言った。8:25発。
10分も登らないうちに水流の消えた溝はザレてきて田中君は左の尾根に乗っかった。私も追っかけて左の尾根に出て少し歩くともう三条ダルミと三条の湯の間の登山道であった。背の低い笹はあったが大した藪漕ぎもなく登山道に出られたのはよかった。休むには狭い登山道だったので三条ダルミまで行く。
三条ダルミにて
8:43三条ダルミ着。ザックを下ろすととたんに虫が寄ってきてわんわんと顔の周りブヨが噛んでくる。シャツの上から噛んできて痛いのでさっさと出発することにする。
三条ダルミから雲取山まで
三条ダルミを出ても虫は顔のまわりを飛び回りうっとおしい。山頂から下ってくる人も顔に網をかぶっている人がいる。ザックが重くて足が靴ずれしているのでゆっくりしか歩けない。いろいろぼやきながら登ってようやく山頂に着いた。
雲取山にて
山頂で記念写真を撮り、避難小屋に戻って休む。小屋の中に入ると虫もほとんどおらず快適に休めた。天気はくもり、展望はなし。気温は21℃。
雲取山から鴨沢まで
あとはバス停まで下るだけ。靴ずれの足は走ることもできずチンタラゆっくりになる。ブナ坂で休み、七ツ石山を巻く。小袖乗越でトイレ休憩。
鴨沢バス停にて
12:43鴨沢バス停着。沢たびを脱ぐとあちこち靴ずれしている。特に曲がっている左足の親指の付け根はひどい。はじめは私たち2人だけだったが13:00のバスが着くころには10人くらいになっていた。丹波山村役場発のバスは空いており、終点まで座っていくことができた。
帰りは靴ずれの足を引きずりながらもえぎの湯で汗を流し、15:14ホリデー快速おくたま82号に乗って帰った。
おわりに
いずれのガイドブックでも初級とランク付けされている青岩谷だったので、今年初めての泊まりがけの沢登りにはちょうどいいと思っていたら、青岩の大滝の巻きで手痛いしっぺ返しをくらった。
幸い田中君がトラバースに成功し、無事登ることができたのはよかった。結果論ではあるが、巻き始めにハーネスをつけておけばよかったと思う。
「残置ロープ設置禁止」の看板は釣り人向けかと思ったが、入渓している人は誰もいなかった。沢で幕営せず、三条の湯に泊まって早朝から日帰りの人が多いのかもしれない。
体力的にはだいぶ疲れてしまった。ザイル、ハーネスがあるとはいえ1泊2日の荷物で大した防寒着も食料もないのに荷物が重く感じた。靴擦れによるものなのか単純な体力不足なのか年齢によるものなのか。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
雲取山の最新記録
七ツ石山の最新記録
小雲取山の最新記録
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する