初秋の尾瀬ヶ原・アヤメ平 色付き始めた草紅葉とヒツジグサ咲く池塘


- GPS
- 09:34
- 距離
- 31.7km
- 登り
- 1,171m
- 下り
- 1,170m
コースタイム
- 山行
- 8:28
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 9:35
天候 | ・晴れのち曇り ・気温 富士見下5時半18℃ 15時25℃ アヤメ平14℃ 尾瀬ヶ原17℃ 涼しい秋風。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
・🚲:富士見峠にマウンテンバイクをデポ。クロモリ自転車を押すのは重かった。下山では急坂や道が荒れており転倒注意。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・富士見下駐車場〜富士見峠:ゲートを越えて林道歩き。約6km、標高差500m。10月下旬からは素晴らしい紅葉のトンネル道になる。沢に水場あり。登山口にマウンテンバイクをデポ。 ・富士見峠〜富士見田代〜竜宮(長沢新道):登山口を上がると分岐手前に池塘。ガスで長沢新道へ。ゴムの滑り止めがあり歩きやすい。土場の先でコグマに遭遇。距離があったので逃げて行った。長沢頭からは泥濘と木の根の急坂で滑りやすい。沢に近くなると美しいブナの森。 ・竜宮〜山の鼻:尾瀬ヶ原を貫く約5kmに及ぶ木道歩き。色付き始めた草もみじと池塘群。浮かぶヒツジグサも色付き始め花が咲いていた。逆さの燧ヶ岳や至仏山を池塘で探すと面白い。初秋の美しい尾瀬の景観を楽しめる。 ・山の鼻〜鳩待峠:緩い登りの木道歩き。テンマ沢付近は毎年クマの目撃や被害があるので注意。尾瀬で一番けが人が発生する。木道や緩い石階段をなめてはいけない。木道ですれ違うため脇に避け踏み外し、転落した事故があった。 ・鳩待峠〜富士見峠:一気にひと気がなく獣の気配がある鳩待通り。オオシラビソとブナの森が美しい。朽ちた木道や泥濘が多い。中原山手前からアヤメ平へ向かう周辺が絶景。草もみじと燧ヶ岳と至仏山、富士山、武尊山と赤城山、日光白根山など名峰が並ぶ。 ・富士見峠〜富士見下駐車場:荒れた林道約6kmをマウンテンバイクで下った。20分で戻れた。CTは2時間10分。 ●携帯電波は各小屋付近のみ入る。アヤメ平も一部で入る ●尾瀬ルールとマナー:木道は右側通行で登り優先。歩荷さんには挨拶しない話しかけない、など。 https://mountain-guide.jp/manor.html ●尾瀬に咲く花 https://mountain-guide.jp/hana.html |
その他周辺情報 | ・LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート:9月1日にオープンした。当然、宿泊者以外は入れない。 https://hoshinoresorts.com/jp/cards/599tavkzrsp/ ・はとまち Cafe & Shop by 星野リゾート:旧休憩所が登山口南に新装オープン。現金は使えないキャッシュレスのみ。タッチパネルで操作し、ショップもセルフレジ。花豆ソフトは店外のカウンターで購入。 |
写真
感想
9月9日は「五節句」の一つ「重陽の節句」菊の節句とも言われている。平安時代では縁起が良い日とされ、無病息災を願って祝宴が開かれた。貴族は酒を飲むのが大好きだったからな。何でも理由付けして宴会を開いていた。坊主も「般若湯」と言って飲んでいた。
摂関政治を確立した藤原道長は、泥酔し失言多数、女性への問題行動など酒乱だった。結果、糖尿病になり古傷が壊死して亡くなった。優れた人物でも酒で失敗する。私などは飲酒すらしていないのに、一晩寝ると前日の事を覚えていないことが多々ある。記憶が飛んでいる。素面でこれだからね(笑)困ったものだ。
今の法令順守の厳しい時代でも、飲酒して問題行動する人がいる。酒に溺れる人間は人生をも踏み外す。映画「国宝」に主演した吉沢亮も、昨年12月に泥酔して隣の部屋に侵入し書類送検された。奇しくも9月9日は「救急の日」。救急車で搬送は嫌だが、パトカーで連行される方がよっぽど恐ろしい。覚えていないでは済まされない。
おくさんは槍ヶ岳へ行っているので、金がない私は、日帰りで尾瀬ヶ原周回を計画した。何度も言うが金が無いので、無料の富士見下に停める。戸倉に停めれば暦日1000円、往復2600円のバス代で3600円もかかる。
前橋を3時50分に出発。秋分に近く朝夕は暗くなるのが早くなった。平野部は曇りでどんよりしていた。沼田ICで下りて国道120号を東へ。新聞配達のバイクが右往左往するが、富士見下駐車場まで車は一台もすれ違わなかった。戸倉駐車場も空いていた。
誰もいないガスに覆われた富士見下駐車場を5時20分に出発。マウンテンバイクを押しながら歩く。道が荒れており案外急坂なので、登りは乗るより押した方が良いと思い歩く。うっそうとした森は、鳥の鳴き声すらなく無音の静寂。自分の息遣いしか聞こえない。
クロモリのマウンテンバイクは15kg以上あり重く、押すのも体力がいる。富士見峠まで距離6km標高を500m上げなければならない。九十九折れを上がっていく。沢の濁流音にかき消されるようにシカが鳴いていた。
花や眺望もなく淡々と無心で歩く。1時間40分で富士見峠に到着した。登山は精神を空っぽに出来るから良い。自転車をデポして登山口へ。富士見田代はガスガスなので、アヤメ平は行かずそのまま長沢新道を下る。10時過ぎには晴れる予想。
ゴムが木道に敷設してあり滑らなくなった。しばらく行くと前方20mほど先に黒い塊が見えた。野反湖や鼻曲山でも見たことのあるコグマ。木道に座って何かしている、遊んでいるのかな。こちらの気配を察すると、走って逃げて行った。
石と泥濘の道となり、オオシラビソやダケカンバの森から、ブナの森へと変わる。今年の豪雪で破損し再建された長沢橋を渡る。ブナの巨木がそびえ、カエデの葉がバイバイするように揺れていた。木道になり尾瀬ヶ原に入ったことを告げていた。
シカ柵が間隔をあけて二重になっており、二つのドアを抜けると尾瀬ヶ原。立つようなオゼトリカブト、ハナニガナ、アケボノソウなどが咲いていた。竜宮十字路を東へ。木道でやっと人と会った。コグマとは会ったけどね。
竜宮小屋で水補給。見晴から先が福島県となる。小屋も紅葉時期前の平日で空いており、誰もいなかった。尾瀬の各小屋付近では携帯電波が入るようになった。山ノ鼻へ向かって歩き出す。約5kmの横断路。尾瀬ヶ原は東西に6kmある。
ミヤマワレモコウが揺れる尾瀬ヶ原。ウルシやナナカマド、草紅葉が色付き始め、秋の涼しい風が吹いていた。10時を過ぎると予想通り青空となり、至仏山や燧ヶ岳が見えた。青空を映す池塘にはヒツジグサの葉が浮かび、ほんのり紅色付いていた。
木道では大勢の歩荷さんが竜宮や見晴を目指していた。尾瀬ルールでは歩荷さんに挨拶や話しかけてはいけない。息が上がり返答が困難だから。他にもルールやマナーがあるので、尾瀬財団のHPで確認すると良い。
逆さ燧の池塘で記念撮影。三脚を片付けていたら、歩荷さんから話しかけられた(笑)「逆さ池塘はどうですか?」と。私は「風で少し揺れてますけど、まぁまぁですよ」と返答。私は「あれ?歩荷さんですよね」と質問。「そうですよ」と返答。ほぼ毎日撮影しているそうで「今日はいまいちかな」と言って歩いて行った。
原の川上川橋辺りの木道は、架け替え工事中で迂回路がある。工事従事者も最近は外国人が多い。人手不足なのだろう。日本が誇る高層湿原に、仕事とは言えしばらく居られるのだから、良い思い出になるだろうな。
山ノ鼻に到着したが、林間学校の小学生が100人以上居てスルー。研究見本園へヒツジグサを見に行った。尾瀬ヶ原と違い、間近で花を上から見ることができる。戻るが、子供たちの喧噪から逃げるように駆け足で山ノ鼻を通り過ぎた。
クマ出没多発地域と尾瀬でのけが人が一番多い道。ササ藪刈りしてあり、木道脇には転落防止のロープがしてあった。先月、木道ですれ違おうとして、脇に避けたら足を踏み外し5m下に滑落、足を骨折した事故があった。
鳩待峠に到着。景色が一変していた。星野リゾートの宿泊施設とカフェが出来ていた。旧鳩待休憩所は売店はないが休むことはできる。カフェはキャッシュレスで現金は使えない。ほとんど金の入っていない財布を忘れたが、QRで決済できたので花豆ソフトが購入できた。しかし650円もするとは、10年前は350円だったけどな。
深刻なのは、標高900〜1200mの寒冷高地でしか生育できない花豆、温暖化で片品村でも出来にくくなったとの事。新たな畑を開拓し植えても、すぐに実らないため非常に手間暇かかるとの事。ある意味嗜好品で価格が高騰するのは仕方ないかな。
おしゃれに変わった鳩待峠。ランドネに出てきそうな宿泊施設の脇を過ぎて、鳩待通りへ。厳冬豪雪の尾瀬らしく、根曲がりのブナやオオシラビソの巨木がそびえる、うっそうとした森。背丈を越えるササヤブ帯、ひと気は無いが獣の気配はある。
眺望もなく淡々と歩いて横田代へ。ここでも草紅葉が始まっていた。振り返ると至仏山に灰色の雲がかかっていた。雨が降る前には下りられる。
中原山を過ぎると、緩やかな上りの木道。まるで天空へと続いているように見える。そしてその先にあるのがアヤメ平。美しい池塘群と燧ヶ岳の眺望。草紅葉も色付いていた。富士見田代までの木道は、架け替えられゴムが敷かれ安全な道となった。
真っ黒な雲が燧ヶ岳にかかる。急いで富士見峠に下り、デポした自転車を回収。クマは遊びで乗っていなかった。洗堀と落石で道がかなり荒れており、カーブでブレーキを掛け過ぎるとタイヤが横滑りする。バイクと同じ「ハイサイド」もあるので注意して下って行った。
富士見峠から20分で富士見下駐車場に到着。計算すると時速21km/h。CT2時間10分なので、かなり短縮できる。これなら、八木沢道で見晴に出て、三条の滝まで行っての周回が可能。来年はそうしようかな。
朝と同じく誰もいない駐車場を後にする。余裕があったので下道で前橋へ戻った。残暑厳しい日々の前橋だが、たった60km北にある尾瀬ヶ原はもう秋を迎えていた。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する