早月尾根で憧れの剱岳へ(日帰り)


- GPS
- 14:01
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 2,382m
- 下り
- 2,398m
コースタイム
天候 | 晴れときどき曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特別に危険な場所はなかったが,多数の鎖場などがあり,それなりに危険なコースだった。 |
その他周辺情報 | 登山後に馬場島荘で500円でお風呂(温泉ではない)に入れた |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ヘルメット
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感想
2016年8月14日に念願の剱岳に登った。ルートは日帰りしやすい、という理由から,ハードな馬場島から早月尾根を往復してみた。
前日の夕方出発して、登山口のある馬場島に着いたら前日の午後11時だった。そこで仮眠して明るくなったら登り始めようと思っていたのだが、興奮していたのかぐっすりとは眠れなかった。すると、暗い時間に何人も登って行く人のヘッドライトが目につき,気になって目が覚めてしまった。そこで,ちょうど出発準備をしているグループの人に聞くと、暑くなる前に高度を稼げるし、ルートは1本道で迷うことはない、とのことだったので、暗いうちに出発することにした。
出発は午前2時半だった。登り口には「試練と憧れ」の碑があった。暗かったので,写真は帰りに撮ることにした,登りはじめると、いきなり急登だった。かなり一気に高度を上げたのち少し傾斜が緩やかになリ横移動と緩い登りの後に標高 1000 m の標識があった。木のベンチもあった。そこでほっとしたのだが,ここからが辛い辛い試練の道だった。標高 1000 m の後、しばし横移動したら、そこからはひたすら急登だった。1000 m から上は,標高が 200 m 上がるごとに標識があるが、なかなか次の標識までたどり着かない感じだった。
標高 1000 m から上の登山道は標高が上がるにつれて険しくなる感じがした。丸太の梯子や、樹の根をよじ登ったり岩をよじ登る感じの場所が沢山あった。1600 m 付近には狭い尾根の所もあリ、横に踏み外すとかなリ落下しそうな場所も沢山あった。標高が1800 m ぐらいでかなリ明るくなったのでヘッドランプを消した。その先も黙々と急登を登り続けた。2000 m 付近にくると標高 2200 m 付近にある早月小屋をチェックアウトした人たちが下ってきた。早月小屋は午前6時がチェックアウトらしい。早いなぁ。下りの人たちに早月小屋はもうすぐだよ、と言われたが全然すぐじゃなかった。2000 m にある池からもかなリ険しい道程だった。距離は別にして、とにかく急だった。それを乗り越えると広場っぽい小ピークに出た。すると少し下がった所に早月小屋が見えた。小屋の前にはテントも沢山あった。
標高 2200 m 付近の早月小屋までは何とかたどり着いた感じだった。その時点で,山頂まで登れるか不安だった。しかし、せっかくここまで来たから、ゆっくりでもいいから行けるところまで行こうと思い,頑張って先を目指すことにした。そこで,持って行ったパンを食べて,トイレを借りて上を目指した。2200 m から先も急登が続く。それまでとの違いは,岩場が増え木が減る点であろう。その辺りまではまだ木があるが、徐々に減っていった。あの辺りが森林限界みたいだった。その先にはハイマツと高山植物しかなかった。登山道をゆっくり登って行くと,やがて稜線に出た。さすがに眺めはよかったが,崖の下を見るとなかなか怖かった。近くに劔御前や大日岳が見えていてきれいだった。
しばらく歩くと標高 2400 m の標識があった。その先はどんどん険しくなっていった。2600 m の手前にはやせ尾根があり、岩を乗越え,樹の枝を踏んで進む区間があった。またガレた急登はそこらじゅうにあった。しかし、その辺りに来ると左側に小窓尾根や剣尾根が見えるようになった(どこが小窓尾根でどこが劔尾根なのかはわかってないが…)。また正面には剱岳が見えるようになった。しかし,まだ山頂はかなリ上の方に見えた。先は長そうだった。
険しい急登の先に標高 2600 m の標識があった。その横には少しスペースがあり、休憩すると気持ちよかった。2600 m の所から見ると目の前に壁のようにピークが見える。登山ルートはどこ?と思ったらその壁を人がよじ登っていた。2600 m からはちょっとしたピークを越えたり巻いたりして高度を上げて行った。所々右下の崖の下が見えるが、数百 m の落差がありそうで,滑落するとヤバそうだった。下を見ると足がすくみそうだったので、できるだけ下を見ないようにしておいた。標高 2800 m の標識を過ぎても剱岳のピークはかなり上に見えた。その先は稜線を行き、岩をよじ登り、さらに険しくなっていった。この辺りになると岩ばかりの感じになっていた。標高 2900 m ぐらいにカニのハサミと呼ばれる場所があり、鎖を持ちながら一本だけ壁に打たれたボルトを踏まないといけない場所もあった。人によっては高度感は大したことない,という話だったが,私には怖かった。
カニのハサミの先は少しましな場所もあった。その辺りからは室堂付近や劔沢キャンプ場、劔澤小屋がよく見えた。また劔沢からのルートの平蔵の頭付近もよく見えた。2900m 付近から先で鎖がいくつも続く壁のような区間を乗り越えると、急に傾斜が緩くなる。その辺りが劔沢からのルートと合流するポイントだった。そこから一抱えぐらいの岩がごろごろした傾斜のゆるい区間が山頂に向かって続いていた。その岩場を歩いていくと、やっとのことで憧れの剱岳山頂に到着した。 早月小屋から3時間程、登山口から7時間程で登れた。早い人は5時間かからずに登ったと言っていたが, 私の脚力からすると頑張った方だと思う。それに私には登れた事自体がすごいことだった。
山頂では、まずは他の登山者の方に頼んで祠の前で記念撮影しておいた。しっかり山頂の碑を抱えて写真に収まったおいた。(ここには載せてないが…)登った日の剱岳山頂付近は快晴で周囲の山々がとてもよく見えた。しっかりと写真には撮らなかったが,富士山も槍ヶ岳も見えていた。めちゃめちゃ気持ちよかったなぁ…。ただ、帰りを考えるとかなり不安になってしまったが…。それでも、しばし写真撮ったり休憩したりして山頂を満喫した。
山頂に20分程いてから下山を始めた。下山は思ったよりも怖くはなかった。登りで気を遣った場所も下りだと不安感はかなリましだった。それでも下りでは下を見ながら下ることになるので、かなりドキドキしながら下っていった。普通,そこらの低山なら下りはかなリ楽になるが、剱岳の下りは全然楽になるどころか,むしろしんどいぐらいだった。一歩一歩に慎重にならないといけないというのもあるが、いかんせん斜度がきつくて辛かった。標高の 200 m ずつにある標識になかなかたどり着かなかった。とりあえず一歩一歩を丁寧に下ることを心がけた。また登ってくる人たちとのすれ違いも多く、退避する場所が少ないので結構気を遣った。
下る途中、休憩がてら高山植物の写真を撮ったりした。高度が下がるたびに不安は減っていったが、登りで疲れた足は踏ん張りがきかないので、その点はずっと気をつけていた。何とか早月小屋まで下りた時はホッとした。3時間で登った区間の下りに2時間20分もかかってしまった。早月小屋前でしばし休憩してから登山口目指して下り始めた。早月小屋から登山口までの下りもなかなかペースがあげられなかった。すでにパンパンだった足には急な下り坂が延々と続く感じだった。ストックを使って足の負担を減らしながら下ったが、4時間で登った区間の下りに3時間10分もかかってしまった。あまりに足がだるくて,何度も立ち止まらないと下れなかったのが理由だった。ここでも標高で 200 m ごとの標識までが遠かった。特に標高 1800 m から 1400 m 辺りが辛かった。ひたすら足の辛さを我慢して下る感じだった。それでもなんとか 1000 m まで下った時にはかなリホッとした。しかし、そこからの高低差 260 m がさらに辛かった。最後の最後に急傾斜があり,ほんとに泣きそうだった。やっとのことで下り終わった時には放心状態だった。
登山口では行きに撮れなかった石碑の写真を撮っておいた。その後,めちゃめちゃ汗をかいたので、車で馬場島荘前に移動して、500円でお風呂に入った。温泉ではないが,やっぱりお風呂で汗を流すと気持ちよかった。またアイシングのつもりで,冷水で太ももやふくらはぎの筋肉を冷やしておいた。効果の程はわからないが…。お風呂ですっきりして,冷たいジュースを飲んだ後,のんびりと帰路についた。帰り道、高速のSAで海鮮丼を食べた。その後、敦賀辺りで渋滞とのことだったので、もう一度違うSAに入り、カツ丼も食べてしまった。筋組織が壊れてるはずだから,良質のタンパク質を取りなさい,という話を聞いていたので実践したつもり…。効果の程は不明だが…。
今回は早月尾根経由で,憧れの剱岳に登ってみた。往復で13時間程かかってしまったが。我ながら頑張ったと思う。途中,すごい崖の上を登ってる時には,ビビってしまって,来たことを少し反省していたが…。今回,途中に水場がない,ということだったので,水分はアクエリアス4リットルと水2リットルの合計6リットル持って行った。かなり十分持って行ったつもりだが,最終的には全てなくなった。途中,1回しかトイレに行かなかったので,飲んだ水分はほとんど汗になったみたいだった。恐るべし早月尾根!!
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