臼ヶ岳南尾根−蛭ヶ岳〜鍋割山
zaoluck
その他1人 
体力度について
- GPS
- 15:33
- 距離
- 32.5km
- 登り
- 2,420m
- 下り
- 2,451m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:25
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 7:11
- 山行
- 6:57
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 8:21
| 天候 | 14日：曇り 15日：霧雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
復路：大倉バス停から渋沢駅 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・臼ヶ岳南尾根は部分的に踏み跡不明瞭で足場の悪い急斜面も多く、特に下りに使うのは難しそう。 ・3月末で伐採工事が終わったはずの小丸尾根は、鍋割山稜上の分岐には倒木危険とかで当分通行止めの表示があったが、登山口の二俣側には何ら表示も通行止めロープもなかった。どうなっているのか？ |
写真
拍手
感想
かつて同じ職場にいたTM．さんから山を始めたとの連絡があり、山小屋に泊まったことがないというので、休みを合わせて蛭ヶ岳山荘1泊で計画を立てた。初夏の晴天を期待したが、初日の午後から先は終始分厚い雲の中。2日連続のガスガス山行となってしまい、残念だった。
【14日】
午前8時過ぎ、新松田駅でTM.さんと合流。臨時便が出た後なのに大勢の年配者がバス停に並んでいたが、彼らは乗らないとのことで8時10分発の西丹沢自然教室行は空席を余して出発した。
TM.さんが山登りを始めたのは昨年夏のことだが、すでに日帰りで20回以上の山行を重ねており、聞けば表尾根などかなり本格的なルートをこなしている由。であればと、破線ルートの臼ヶ岳南尾根（朝日向尾根）を利用して人気のユーシン渓谷と主脈＆鍋割山稜をつなぐ欲張りプランを立てた。
9時に歩き始めた玄倉は薄日の差すまずまずの天気。ゆるゆると歩いて名物の真っ暗トンネル「新青崩隧道」に驚いてもらい、さて、噂のユーシンブルーを見せようとしたら、なんとダム湖に水が溜まっていない。このところの玄倉ダムは気まぐれで困る。気を取り直して発電所の唸りを聞きながら新緑の渓谷をさらに奥へ。「林道歩きは飽きた」とこぼすTM.さんをなだめつつ、おおむね予定通りユーシンロッジに到着した。
さて、ここからが本番。臼ヶ岳南尾根は手持ちの山と高原地図では破線コースで、皆さんのレコを見る限りれっきとしたバリエーションルートの末席に連なっている。いきなり杉林の山腹に伸びる細々とした踏み跡を辿って尾根に乗った。後は尾根通しに歩けば、こと登りに関しては何とかなるはずだ。
誰かのレコで見覚えのある太い赤松のある尾根を通り、時々薄れかかる踏み跡を探りつつ急坂を登る。なかなか厳しい。標高1000mちょっとの所で苔むした1m×2mほどの岩に遭遇。これもレコで見たので心強い。先述の通り尾根通しに歩くだけだから、少々ずれて歩いても大過はないのだが。
人によって通りやすい所を選ぶせいか、淡い踏み跡もどうかすると二手に分かれたりする。中には鹿かカモシカらしい足跡も一緒についていたりする。ピンクテープや木の幹の赤ペンキといった目印もあるものの、道を外れかけては戻りながら急斜面を喘ぎ登り、1110m小ピークに到着した。
左の樹間に同角ノ頭の端正なシルエットが覗くが、反対側の主脈方向の稜線は分厚い雲の中に隠れている。さらにひと頑張りしてコイタゾーリノ頭。右手の鹿柵に沿って平らな尾根を辿ると、水晶平に向かう下り口にシロヤシオが一本満開になっていた。今年は遅れ気味のようだから上ではまだ咲いていないかもしれず、ラッキーだった。
広々した水晶平を経て最後の急登に挑む。深いガスの中、バリルートらしい足場の悪さに難儀しながら進むと、右斜面が大きく崩壊した所に出た。これもレコで見たからルートは間違っていない。木々が減ってやや周囲が明るくなったと感じると、ほどなく臼ヶ岳山頂だった。鹿柵を左に見てわずかに下り気味の明瞭な踏み跡を行くと、無事に主稜縦走路に出た。
ここまでは予定より若干早めの到着。といっても、蛭ヶ岳着は16時ごろになるだろう。ここで行き会った男女は主稜を縦走して西丹沢に下りるとのこと。日が長いとはいえ天気は悪いし、たしか4時間〜4時間半くらいかかった記憶があるので、終バスに間に合うのか他人事ながら少々心配に思った。
ともあれ、格段に整備の良くなった道を目的地へと急ぐ。所どころにピンクのサクラソウの仲間が群生している。何しろガスで景色が見えないから足元の花に目が行く。ほかには小ぶりのテンナンショウとスミレ、たまにマメザクラといったところ。
道はいったん下ってひとピーク越え、再びやや下って行く。疲れも出て、しかも最後に標高差300mほどの急な蛭ヶ岳西斜面が待っていることを思うと、体力温存でスピードが出せない。たちまち貯金を使い果たし、タイムは予定より遅れだした。
ようやく道が登りに変わり、鎖場が現れて西斜面にかかったことが分かった。イバラが多いので注意して進む。すると突然、奇跡のように周囲の雲が割れ、南に伸びる熊木沢が全容を見せた。振り向けば後方の臼ヶ岳が雲に浮かび、前を見上げれば蛭ヶ岳山頂部がそそり立っている。TM.さんも「おお〜」と声を漏らした。
行く手が見えてわずかに足取りも軽くなる。最後の木段を経て頂上が近づいてきた。このまま雲が引いてくれることを期待したが、残念ながら再び雲の帳が下りて短いショーは終わった。ほどなく人声が聞こえて広々した山頂に到着。声の主は京都の中学で同級生だったという京都と横浜在住の男性3人で、記念撮影のシャッターを押してもらって蛭ヶ岳山荘に投宿した。
どんより曇りの日曜日とあって、宿泊者は我々2人と先ほどの京都出身3人、素泊まりの単独女性1人の計6人。レトルトカレー（銀座カリーだったような）で飯を腹いっぱい食べ、ビールとTM.さん持参の日本酒をやって、8時前には床に就いた。
【15日】
目が覚めると、やっぱりガスの中だった。さほど寒くはない。神奈川県の天気予報は曇りだが、午後になると静岡から雨雲が迫ってくるようだ。ゆっくりしても天気が良くなる気遣いはないので、5時過ぎには朝食を食べて6時過ぎに出発した。6人でゆったり泊まった小屋だが、小屋番さんによると次の週末の20日は100人！の予約が入っているという。布団1つに2人ずつ、低いベッドを上下2段に使い、食堂にも布団を敷き詰めてどうにかというところか。5年前、秋の涸沢ヒュッテで体験した奴隷船地獄を思い出した。
全く何にも見えない開けた短い笹の斜面をジグザグに下る。ウグイスなどの小鳥のさえずりがわずかな慰みだ。中ノ沢乗越から鬼ヶ岩へ登り返し、しばらく緩やかなアップダウンの尾根道を行く。スピードを抑え、京都出身の3人パーティーと前後しながら棚沢ノ頭、不動ノ峰と進み、8時ごろ丹沢山に着いた。
所要1時間45分はいささか遅すぎたので、その先は若干ペースアップ。元気なTM.さんにトップを譲り、多少息を喘がせながら塔ノ岳に辿りついた。見慣れた山頂だが誰一人いないのが珍しく、もちろんガスは深いままだ。
尊仏山荘でコーヒーブレイクしながら山小屋のボッカの話になり、壁に掛けてあるチャンプ畠山氏のインタビュー記事を見せてもらった。60歳で塔ノ岳登頂4500回という記述にTM.さんが驚きの声を上げた直後、なんと当のチャンプが背負子を肩に入って来たのにはびっくり。聞けば現在64歳で、この日が登頂5626回（だったかな？）だとか。
奈良から来て青ヶ岳山荘、みやま山荘と連泊してきたというご夫婦を交えて話をした。京都組の3人といい、この天気であえて山を歩いているのは、遠方から予定を立てて登りに来た人が中心なのかもしれない。
ゆっくり休んでから鍋割山へ向かった。金冷シに向けて下りていくと、ゴム長に短パン姿で追い抜いていくチャンプと入れ違いに何人か登って来る人がいる。重たい曇り空の平日なのに、さすが人気の塔ノ岳だ。
鍋割山稜に入ると人影は途絶えた。大丸の登り返しを過ぎれば、この先もう大した登りはない。小丸尾根分岐に差し掛かると、相変わらず登山道はロープでふさがれ、通行禁止のままだった。大倉尾根のバイパスになるこの小丸尾根が使えないのは不便で困る。
ムシカリの花が見えて、やがて軽い登り返しになったので「もうじき鍋割山だと思う」といったが、これは一つ手前のピークだった。気を取り直してピークを乗り越え、鍋割山に到着。腹も減って来たので真っ直ぐ鍋割山荘に入って鍋焼きうどんを注文した。
われわれの直後に単独の女性2人が現れ、食べ始めたころにさらに男性2人が入店した。店をたつ頃にもさらに2人が現れ、平日というのにその人気ぶりに驚く。そばに座った若い女性は、丹沢は初めてと言いながら「話に聞く鍋焼きうどんが食べたくなって、急に思い立って登って来た」と話す。水のペットボトルも2Lボランティアで担ぎ上げたといい、相当な健脚とみた。
結局、最後まで雲に呪われたまま最後の下山路へと歩み出す。うどん目当てに？次々と登ってくる若い人とすれ違って、後沢乗越への急な下り坂に臨んだ。結構長くて標高差もある難所で、体力がないのにうどん目当てで挑戦すると痛い目に遭う。下りでもハードで、途中、ひざをさすって休憩中の中年男性を追い越した。
こちらもいい加減疲れだしたところで後沢乗越着。若い女の子3人が「きっつい」とこぼしながら登ってきた。TM.さんと「ここまでできついようじゃ、この先大変だろうに」と苦笑して顔を見合わせる。沢筋まで下る道はジグザグに整備されているので、それほど「きっつく」はない。最後にちょっと足場の悪い急斜面を下り、沢床に降り立った。すぐ先がミズヒ沢渡渉点だ。赤い火の用心の横断幕が見え、無事林道に降り立った。
一休みして、さてここからさらに5�勸幣紊領啼司發�が待っている。きのうも10�卻發い燭�ら少々飽き飽きするが、ルート設定をしたのは当方だから仕方ない。TM.さんには悪いがもう少し我慢してもらうことにした。
1時間半後、大倉から振り仰ぐ表尾根は山裾近くまで重たい雲に覆われていた。二俣付近で一瞬降られたが、よく山上で本降りにならなかったものだと思う。リュックを置いて、ふと傍らを見ると鍋割山荘で会った若い女性が座っている。鍋割山稜を逆行して大倉尾根から下ってきたという。「道は良いのでちょっと走ることもできましたし」と涼しい顔。やっぱりかなりのアスリートだった。
□ □ □ □
さて、鶴巻温泉駅で途中下車し、いつもの弘法の里湯にTM.さんを案内したら、なんと閉まっていた。月曜休業！ ここがお役所の経営であることを忘れていた。頼みの旅館陣屋にも日帰り利用を断られ、万事休す。そのまま解散と相成った。TM.さん、ごめんなさい。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
丹沢山の最新記録
塔ノ岳の最新記録
鍋割山の最新記録
MARINE3 さん
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する