白馬大池・白馬三山・不帰の嶮・唐松岳
Tyonanonee
- GPS
- 11:00
- 距離
- 36.4km
- 登り
- 3,243m
- 下り
- 2,369m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
| 天候 | 晴れ後曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
ゴンドラの始発がAM8：00。行動開始が遅くなるので栂池高原の駐車場から走ってあがります。 旅館街を走ってゆくと15分ぐらいでゴンドラの白樺駅に出ます。そこから上は自然園まで続く管理用林道で一般車両は入れません。距離は走る方は駐車場から自然園までで約15km（標高差約1000m）ぐらいと思います。 栂池自然園からは登山道を行きます。 |
写真
拍手
感想
6月下旬に左足親指を骨折。3時間ぐらい走ると痛みが出てくるので、唐松岳や白馬岳を往復する程度に抑えていました。9月13日の天気予報を見て我慢できずに稜線にあがりました。
栂池の駐車場から栂池自然園までは、途中スキー場のゲレンデを駆け上がってもよいのですが、この時期のゲレンデは夜露で濡れてしまいます。爪先に余裕を持たせる為にゆるめに履いた靴のインナーが滑って不愉快な思いをするのは嫌なので林道をトレースしてゆきます。林道はほぼ新月の暗闇ですが、瞬く星が間もなく見られる快晴の青空を予感させます。
天狗原の手前でご来光を迎えました。白馬乗鞍岳の北面が紅に染まり、朝露がのった草木が黄金色に輝きます。この辺はよく来ていたので見慣れた景色ですが、それでもしばし木道上で見とれてしまいました。白馬乗鞍岳の北面はナナカマドの群生地で紅葉の時期は真っ赤な回廊を演出してしてくれますが、今のところ紅葉はそれほど進んでいないようです。
白馬乗鞍岳を踏んで白馬大池に向って火山岩の道を下ってゆくと、眼下には鏡面のように凪いだ大池の水面が山荘の赤いトタンぶきの佇まいを映して横たわっています。背景には雪倉岳、朝日岳と栂海新道に続く山並みが広がっており、微かに聞こえてくる発電機の音も静けさを演出してくれています。
白馬大池山荘で10分休憩。7月初旬であれば広々とした庭にはハクサンコザクラやチングルマの絨毯が広がります。今はチングルマの綿帽子が仁丹のような水玉をまとって風にゆられながら輝いています。
雷鳥坂、船越の頭へと進んでゆくとNHKのドラマ「坂の上の雲」のエンディングで見た道程が目前に伸びています。サラブライトマンのスタンドアロンのハミングがどこからか聞こえてきそうです。なだらかで少しずつ標高をあげてゆく稜線をユックリと走っても、小蓮華山まではあまり時間がかからなかったように感じたのはコースが楽しかったからだと思います。
新潟側はなだらかに、長野側は切れ落ちた感じでこのまま白馬三山まで続いてゆきます。小蓮華をすぎると三国境まではなだらかで赤茶けた登山道を進んでゆきます。この辺は冬には特に風が強くあまり雪が積もらない場所です。また、夏山シーズンには落雷の多い場所でもあります。そんな事もあってか登山道の近くにはほとんど植物がみられません。三国境から白馬岳は少し急な個所が2つありますが、あわてずじっくりと歩き約15分ほどで頂上を踏むことがだきました。平日でも30人程度の登山者がいるあたりは、さすが人気の山だけあります。それにししても素晴らしい天気と素晴らしい景色です。毛勝三山、剣岳〜槍ヶ岳、南アルプス、美ヶ原、八ヶ岳、浅間、戸隠、頸木山群、雪倉、朝日、日本海や扇状地の平野部など360度の大パノラマです。最近、山に来られなかったストレスが霧散してゆくようです。
白馬岳頂上山荘を通り、大雪渓を登りつめたところの稜線分岐、さらに進んで杓子岳との最低コルまでは下りなのでスルスルと来ますが、ここからツヅラ折りになった登りになります。標高では200m未満と思います。少しすると杓子岳の巻き道が目に入ります。ほとんど標高差のない巻き道をすすみたい所ですが、矢張りけじめをつける意味でも、杓子岳を踏んでおくべきだと思い、超ガレた西側の斜面を登って頂上を目指します。所々ハイマツこそ有るもののそれ以外には広大なガレた斜面の広がる景色を登りつめると、長野側にスッパリと切れ落ちた頂上に出ます。私は個人的には白馬の眺めはここから見るのが一番素晴らしいと思っています。白馬鑓ヶ岳の眺めもガレた稜線越しにみると、奇観の様相をていし中々のものです。
休憩もソコソコに白馬鑓を目指します。最低コル部分から鑓に上り返すあたりは珍しい高山植物がみられる場所なのですが、特にチョウノスケソウは白馬三山の中ではこの場所に多く見られます。今回は時期が違うので見られませんでした。白馬鑓ヶ岳の頂上までは、杓子岳と違ってしっかりとした登山道です。結構急な登りですが、来し方を振り返りながら進むと白馬岳が目線の高さに近くなってゆくのが励みになります。白馬鑓ヶ岳の頂上に立つ頃には白馬、杓子の長野側に雲が巻いており、大体10時から以降はこういった感じがお決まりのパターンですが、切れ落ちた東側に湧く雲が山並みの迫力を際立たせる演出になります。老舗山小屋チェーンの白馬館のポスターは山岳写真家菊池哲男さんが鑓から白馬方向の景観を切り取ったものですが、人気のポスターのひとつです。
後立山連峰の中で好きなテン場と聞かれたら私は、天狗山荘か朝日小屋のテン場と答えるでしょう。白馬鑓から鑓温泉分岐をすぎると、登山者の数はグッと減ります。そこから少し進むと天狗山荘です。西側に雪田を抱き稜線付近で貴重な水源を供給しています。この辺はウルップソウの群生地ですが、9月になったいまでもまだウルップソウの花が見られるのは日本でもここだけではないでしょうか。静かな小屋の前で木製のベンチに寝転んで大休止です。静かでいい気持ちです。一人のトレッカーが不帰に進むべきか否か迷っている風でしたが、この天狗山荘付近ではよく見かける光景ではあります。
天狗山荘をたってすぐに天狗の頭につきます。後立山連峰で劍の展望が良い場所は数あれど私のお勧めは「天狗の頭」と「爺ヶ岳南峰」です。天狗の大下りは鎖場があるものの飛ばしすぎなければ特に難しくなく、むしろ足裏の感覚が良く伝わるRUNシューズの方が歩きやすいと思います。天狗の大下りの途中から徐々に骨折した左足爪先が痛くなってきたので、全部ユックリ歩きにかえます。痛みを鎮めるのに一峰のピークで、初めてユックリしてみました。いつもサッサと通過していった箇所ですが、両側に切れあがった稜線にはさまれたピークで寝そべっていると急がない贅沢というものがヒシヒシと体に滲みてゆきます。そういえば初めて不帰に来たのが10年前。この時は不帰という地名に緊張して通過したのを覚えています。その後年に数回のペースで不帰にも来ていますが、こんな寛いだ気分は初めてです。アサギマダラが富山側から吹いてくる風にのって高く舞い上がってゆきます。
�曲�の北峰に上り返す間は不帰の核心部といえますが、爪先が痛くなってきて怖いどこではなく、気が付いたら�曲�も上り�景�を巻いて唐松岳に出たという感じになってしまいました。唐松山荘の前には沢山の登山者がいましたが、私は庭の端によって靴を脱いで暫く休むことにしました。本当は五龍を踏んでから遠見尾根を下り栂池の駐車場までRUNで戻る予定でしたが、もう嫌になったので八方尾根を下る事にしました。八方池まではできるだけ石の頭を踏んで青竹踏みのように土ふまず部分を使って下ったので思いのほか楽でした。グラードリフトに乗らずにアルペンの終点まで来ましたがここからの下りはフラットな部分が多く、爪先に負担がかかるので、リフトを利用して下る事にして、今回のRUNは終了となりました。
毎年6月下旬に柏原新道（扇沢出合〜種池山荘）を走り1時間を切れれば夏に向けての仕上がり上々といった感じになるのですが、今年も上り1時間を切って良い感じでゆけたのに下りで爪先骨折。あまり良いシースンには出来ませんでしたが今回の三山越えは天候にも恵まれ、結構楽しめました。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
白馬岳の最新記録
唐松岳の最新記録
杓子岳の最新記録
show696 さん
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する