GWスキー山行・北ア・双六〜岩苔小谷〜雲の平周遊
- GPS
- 80:00
- 距離
- 53.7km
- 登り
- 5,437m
- 下り
- 5,438m
コースタイム
- 山行
- 9:14
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 10:30
- 山行
- 9:43
- 休憩
- 3:17
- 合計
- 13:00
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 3:10
- 合計
- 11:20
- 山行
- 1:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:10
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
感想
17日、満月の中、新穂高無料Pに到着。翌朝4:00に起床、5月も中旬で雪が少ない中出パ。穴毛谷先でかなりでかい落石が林道をふさいでいる。山菜取りの夫婦とすれ違う。本流を渡る橋の前で土砂崩れ跡があり、ここに自転車が止まっていた。さらにヘリポートにも大デブリがあるも、帰路全てのシートラは確定。ワサビ平でブーツに履き替える。ここは本当にいいところだ。ブナ林を抜けたところで巨大デブリが2発、『まさか橋がなくなった!?』と思わせるようなでかい奴だ。かなり上を巻くように登ったようで、少し下る。河原をしばらく歩いてスキーを着装し、斜面に取り付く。
下から見て抜戸東尾根辺りで雪がつながっていないことが確認できる。山際を進むとスキーを脱ぐことなく進めたが、休憩するためにガレをまたいだ。今のところ西斜面の大きな沢であれば滑れそうだ。いつものことながら、この斜面のスケールで距離の感覚が狂う。裏穂高がきれいだ。先行者がいるが、鏡平経由のようだ。雪も緩み、うまく踏まないと下がってしまう。大ノマ乗越までの残り100mくらいが遠かった…ラストはカニで乗越となる。振り返れば槍が素晴らしい。
暑かったのでオーバー手袋と上着を省いて滑るが、これでは少し寒かった。しかも1度転倒する。勿体なぁ〜…双六谷は若干割れているが、全く問題なし。日陰は快適、後は勝手知ったこの長い沢を記憶をなくして前進するのみ。弓折岳へは2280mくらいからの稜線復帰が楽そうだ。二俣はいつも通り水が出ていて給水する。時間が時間で休むと寒い。この二俣からがいつもながら長い。双六小屋には先客2名がいるようだ。明日以降の行動が楽になるようにもうひと頑張りだ。
小屋の前を通過し、焼却炉付近からモミ沢にエントリーする。上部は快適向かって右寄りの沢を滑ると広い斜面だ。表面に薄いガラスが張ったような雪質に変化し、2300m位から先は固雪に変化する。足に利く…どんどん沢は狭くなり、ハーフパイプ状になってくると大きく穴が開きだした。21日にここは通過できないだろう。左岸を滑り、本流に出合うと湯俣右岸を上流に向かう。シールを履くまでもなく、天場を探しシートラで進む。このあたりは平坦で広く、どこでも幕営できそうだが明日以降、楽にアプローチでき水のとれる場所探す。樅沢支流の小広いところに水のとれる湿原状のところを発見!!ここに決定。整地をはじめテントに入ったのは19時だった。
19日、弥助沢に向け出発するが、湯俣は問題なく渡ることができた。固い雪面にシールがよくきく。どこで三俣小屋に出られるか不安だったが、2400mから左へ小尾根に乗るか、その北側を沢沿いに登ると雪庇もなく稜線に出られる。しかしそのまま右の沢を詰めてしまい。、雪が固く斜登行もできず、南へトラバースして2570mに上がる。いつ来てもここからの眺めは素晴らしい。
鷲羽岳までシートラ、足が重い。鷲羽池からの登り返しを確認しながら登る。三俣寄りの尾根状が良さそうだ。鷲羽池にはピークの20mほど手前からエントリー、南東面なので雪も緩み、快適スキーとなる。槍を正面に豪快スキーだ。池からは行きに確認した通り、左の斜面に取り付き2850mで登山道に出る。鷲羽ピークから湯俣へ続く沢もよさそうだが、どうやって戻るのだろう。
シートラでワリモ乗越へ向かう。ここは雪が多いとトラバースが怖いところがあるかもしれない。次にワリモ乗越から岩苔小谷にエントリーする。ここは直線的な長い谷で、水晶岳と雲の平台地に挟まれた緩斜面を快適に滑る。2300m辺りから流水溝で滑りにくくなり、沢の出ているところを高めに斜滑降して進む。台地からは大規模雪崩が出ている。結構新しいもので、気持ちが焦る。高天原峠に上がるために沢床を進まず、左岸の高度を維持して進み、左壁の傾斜が緩くなった樹林帯から峠に取り付く。これが失敗、2100mまで進んでから登れば楽そうだった。峠に上がる手前に沢の1枚バーンがあるのでわかる。尾根は波打っており登りにく、雪が緩く後ずさりするのでとても疲れる。
2380mから左の斜面に逃げると、すんなり2439Pの先に出る。ここから広い斜面を少しで2576Pだが、一旦大きく下る。夏に記憶のない沢が横切っていた。この沢は大東新道に流れ込んでいる沢か?これを越えると雲の平山荘が見える。
今回は祖母沢を滑る。緩斜面をツリーランし、沢形が顕著になってくると側壁を斜滑降気味に進む。かなり上部から水流がのぞいている。右岸を進むと奇跡的に2160mにブリッジが残っており、渡ってから2132Pの手前ピョコを登って、祖父沢へショートカットする。当然渡れず、スキーを脱いで浅い水流を渡り、対岸の木を利用して祖父平に復帰する。思ったより時間がかかってしまった。
黒部川は当然ブリッジのかけらもなく、右岸をひたすら進むがブッシュをかわし、3回ほどきわどい高巻きを強いられる。水流が雪で埋まりだすと、ただ記憶をなくしひたすらに足を出すのみだ。とても長い。抜け殻になり、ようやく三俣小屋付近に出る。ここから見た夕方の槍はとてもきれいだった。
あとは弥助沢を下るのみだが、『朝、こんなところ登ったの!?』というポイントを滑り、雪も昨夕よりも固まった斜面を小気味よく滑り、朝渡れたブリッジが残っており、BCに戻る。とても長い1日だった…
20日、この日は黒部五郎往復と思っていたが、三俣山荘直下でシールトラブル発生。板にまったく貼り付かない。BCに戻ることにする。ド快晴のもとシールを干しながら、緊張感も失せ途方に暮れるが、シールも粘着力が回復したので下山に向かう。双六岳に続く樅沢は雪がしっかりついており、傾斜もゆるくシール登行向きの斜面だ。いつまたシールトラブルになるか気が気ではなかったが、徐々に傾斜が上がり最も急なところに差し掛かると、稜線の雪庇が見えた。ハイマツ帯を左から巻くと、少し遠回りになってしまったが、稜線に到着。一番左がピーク。
いつも風が強い稜線は微風、大展望!!ピークから行きに水を取った沢に入る。初めて滑ったが快適斜面だった。弓折岳からの方が大きく標高差を滑れたのだが、ここで満足する。大ノマ乗越へ上がる沢はシートラで登る。重い…弓折まで登るのは諦め、グズグズの雪が締まるのを槍を見ながらしばらく待つ。だんだん日陰になってきたので滑り始めるが、やはりゆるい。流水溝も大きく、あまり快適な滑りではない。
秩父沢から先で高巻き気味に行けばゴーロを通過しないでいいと思い、かなり高めのところを滑っていたが、結果、巨大デブリに出くわしゴーロをまたぐことになる。夏道がたまたま露出しており楽できたが、この先はさらに悲惨の極致、デブリーランドだ。雪が緩いのがせめてもの救いだった。かなり下部のデブリを越すところで転倒し、一旦止まっていたところ、デブリ陰から大きな熊が左㑨に向かって飛び出して行き、危うく鉢合わせになるところだった。熊の馬力はものすごく、雪代の出た増水した沢をガシガシ渡って行った。ワサビ平で幕営。本当にここはいいところだ。
21日、ゆっくりめの出発。笠新道手前で自転車の登山者と出会う。なんと自分の歩調に合わせて下ってくれた。ありがとうございました。新穂高に着くと笠の稜線はガスってきていた。定番、ひらゆの森で入浴。中退ではあったが、スキー収めとして充実していました。
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