八丁尾根〜鋸岳〜甲斐駒ケ岳〜黒戸尾根 核心は経路探索!?
- GPS
- 53:39
- 距離
- 31.4km
- 登り
- 4,297m
- 下り
- 4,298m
コースタイム
- 山行
- 7:57
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 8:34
- 山行
- 5:26
- 休憩
- 2:32
- 合計
- 7:58
天候 | 6/5 曇り一時雪後豪雨 6/6 霧雨後曇り 6/7 晴れときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
八丁尾根 手持ちの地図(2007年)には破線も無いが、踏み跡もしっかりしていて鎖、メタル芯のロープも張られて整備されている。 三ツ頭〜鋸岳 ガレなど一部を除いて踏み跡はしっかりしている。 鎖も整備されているので登攀具の必然性は感じなかった。 (ヘルメットは落石からの保護としても有効だと思う) 三ツ頭〜甲斐駒 踏み跡はしっかりしている 甲斐駒の近くが一部分り辛かった |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
装備
個人装備 |
アイゼン
ヘルメット
ロープ50m
確保器他
|
---|
感想
確保していた3日間
気圧の尾根が来たら予約済みの上高地ゆうゆうきっぷでゆったり穂高三昧などと妄想していたのだが思いっきり気圧の谷がやって来る。直前予想で1日目夕から翌朝にかけてまとまった雨。2日目も上昇気流が抜けずはっきりしない天気。従って1日目は早めに小屋に入って、2日目はあまり期待できない天気でも楽しめる所を条件として今回のルートに決定する。あわてて荷を纏めて家を飛び出す。
エキスパートしか歩けないとかやたら難しそうな鋸岳、懸垂下降も必要らしいので重いが念のため50mを持っていく事に。下界から見る甲斐駒ケ岳は、沢に雪も残っているようなのでアイゼンも。食事を思いっきり質素にしたつもりが計ると20kgもある!
久しぶりのテント装備でヘロヘロ状態だった。
大岩山から先は予想に反して道は明瞭。100mの急激な下りも鎖がしっかり垂れていて唖然。せっかく持ってきたからとロープを出して懸垂下降してみる。快適に下りれるも裁いたりまとめたりが結構めんどくさくて1pでザックにしまう。
アップダウンを繰り返し、烏帽子岳に着く頃には、ヤマテンの予想通り白い物が舞ってきた。先を急ぐ。ガズに覆われ、視界が悪くなってもうそろそろと思っていたら、石室を通り越していた。迷った三叉路を直進すればすぐだったのに。石室はきれいで快適。床も石でできているようだ。屋根は石ではなかった。暫くすると本格的に降りだして、夜は豪雨だった。小屋で良かった。前夜ほとんど寝てなかった事もあってラーメン食べてからすぐに寝てしまった。
気がつくと外が明るかった。ドアを開けると霧雨で視界は悪い。スマートホンをオンラインにすると以外にも電波を捕まえた。(docomo)天気は次第に回復する予想なので、かっぱ着て出動する事に。ザックには登攀具、行動食、テントのインナーを入れる。壁にねずみが出る、と書いてあるので、残置食料は念のため梁からぶら下げた。
朝の第一の仕事は水汲みだ。地図には水マークがあるが良くわからない。三ツ頭手前の山梨側の沢を少し下れば水が出てるだろう、と見当を付けて下りてみる。昨日の雨のせいか50mぐらいのところで確保できた。4L汲んで、三ツ頭の分岐に3Lを残置して西に進んだ。
視界が無いのだが上ったり下りたり疲れた頃、中ノ川乗越にでた。長いガレを登って暫くするとネットで見た剣がある第二高点に辿り着いた。行動食を食べて地形図でコルの方向にコンパスを合わせて進む。
踏み跡を辿ると崖の上で行き度まった。大ギャップらしい。向こう側には第三高点に至る岩の壁がぼんやり見える。が、手前の岩の状態が全然見えない。ギャップの底も見えない。50mロープの2分の1の25mで、果たして着地できるのかどうかも全く解らなかった。もし、届かなければ悲惨だし、仮に着地できても登り返しが出来なかったらどうするのか、そもそも破線のルートはどこなのか、頭の中は混乱した。
一旦剣の所まで戻った。もう一度、別の踏み跡を辿るがやっぱりさっきの、下が見えない崖っぷちにきてしまう。山梨側は切れ落ちている感じなので信州側にトラバースしてみる。岩のルンゼになってくる。4mぐらいチムニー状になっていた。何とか行けそうなので下りてみる。岩は脆いし、雨で濡れているのでタチが悪い。両手両足を突っ張ってみたり手をクラックに突っ込んで支点にしたりと乏しい技を総動員してやっとガレ場に着地する。結局ルート解らず、左に巻いて、また振り出しに戻った。
困ってしまった。時間も心配になってきた。遅くとも12時には折り返したい。ルート解らず終了、なんて悲しすぎる(泣)しばし呆然。駄目元でスマートホンをオンラインにしてみる。するとびっくり、docomoの電波を捉えた。早速google先生に、「第二高点から第一高点」と聞いてみる。すると、文章の中に、「大ギャップからタケカンバの林を登り第二高点に至る」とあった。タケカンバ?さっき通ったじゃないか!
踏み跡ははっきりしていた。良く見ると石に矢印のペンキもあった。何という注意力の無さ。地形図ではルートはコルを素直に通っている。歩いた感じでまさか大きく巻く、なんて夢にも思わなかった。視界は悪かったがヒントはいくつかあった。頭が固いなぁ、と愕然とする。
とにかくルートが判明したのでさっさと進む。信州側の尾根を辿ると大ギャップからのルンゼに当たる。対岸の20mぐらい下にバンドが見える。ガレを渡ってバンドを上がる。広い岩になって、鎖も出てくる。詰めるとネットで見た鹿窓だ。潜ると山梨県側に出る。トラバースすると直径5mぐらいの巨大チェーンの支点がある。信州側乗越て鎖を辿ると小ギャップに出た。手前側は鎖より右に踏み跡があるのでそれを辿った。コルに降り立つ。第一高点側の岩に取り付く。良く見るとルートがある。鎖に頼らず安定して登攀できる。さらに詰めると看板が見えた。
鋸山のピークはほぼ真っ白だった。だが、無事到達できた事が嬉しかった。
昨日の歩きで筋肉痛が残って体が重いのだが、気持ちは軽かった。朝残置した水を回収して戻るとテントが一張りあった。聞くと、今日八丁尾根を上がってきたそうだ。すると、私を覚えている、と言うではないか!私にはさっぱり解らなかった。3年前の10月下旬に、畑薙大橋の近くで出会った、と言うのだ。確かに歩いた。人とも会った。でも顔とか覚えていなかった。すごい記憶力でびっくりした。テントの方は南ア深南部に良く行かれるそうだ。興味はあるが、とにかく大変そうというイメージだ。
最後の日はようやく晴れてくれた。やっぱり朝日の中を歩くのが気持ちが良い。楽しい岩場を辿ると甲斐駒ケ岳に着いた。私が来るのは2度目になる。最初は2007年に、テントデビューして間もない頃に黒戸尾根を上がった。当時は日野春から横手に行くバスがあって、もう1人の乗客も甲斐駒だった。七丈のテン場で、山の先輩の話を聞くのが楽しかった。その時はじめて甲武信とか金峰とかいう山の名前を初めて知った。その時は朝ガスで展望が無かったので景色を見るのは事実上初めてだった。さすがに甲斐駒は賑やかだった。どんどん黒戸尾根から人が上がってくる。もういいかな、と思って長い長い黒戸尾根を下った。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する