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2018年08月05日 06:16山と健康全体に公開

山上の楽園の後…私事ながら… 心肺停止してしまいました

7/21-23に山トモと二人パーティで折立から入山、3日間北アルプスの最奥部を楽しんだ…『ようだった』。
(というのは後述のようにまだ記憶が全部戻っていないのです)
薬師沢を経て初日は雲の平山荘泊。翌日自身は初めての水晶岳を経て、鷲羽岳・三俣蓮華岳より2日夜に黒部五郎小屋泊。最終日に黒部五郎岳から太郎平を経て折立へ下山している。

実はその2日後の7/25朝10時ごろ。

仕事で名古屋駅近くのホテルで会議中、しかも自分が発言中にいきなり意識不明となって。いびきを数回かき、失禁もして後ろにバタンと倒れ心肺停止となったらしい。同僚がすぐに必死に心臓マッサージを行ってくれた。

さらに通りをはさんだ場所に消防署の出張所があり、すぐに署員の方が救急でかけつけてAED処置をしながら救急車にのせた。

さらに、さらに幸運だったのは大きな病院が車で数分のところにあった事。すぐに運び込まれICUで大動脈バルーンポンプを数か所に、3種類の強心剤点滴投与、抗生物質、低体温処置をされ、いったん渡り超えた『あちらの世界』からとりあえず戻ったものの、痛みや苦痛を避けるため意識を意図的になくさせた状態の治療が続いた。

自発呼吸では安定せず人口呼吸器へ変更、さらに1か所冠動脈インターベンション(ステント)を入れ込みそのまま予断を許さない状況の後、自分がようやく意識をはっきり回復してICUにいる医師や看護師、家族を認識出来たのは何と7/30… 倒れてから実に5日後だった。

8/1にRI検査。自分の心臓の冠動脈は通常の人の半分程度の狭さでしかもかなり長い部分がそうらしい。

安定したら、自分の体の他の場所にある動脈血管を心臓の血管につなぐというバイパス手術を行う外科的根本治療が必要のようだ。また過去にも知らずに心筋梗塞をおこしていた可能性もあり10年程度の単位で病気が進行していたという。自覚症状もなく、突然自分は心臓疾患だったと知るのはとても大きな驚きだった。

8/2に一般病棟に移り、8/5現在まだ入院中。午後には一緒に登った山トモが来てくれた。

昏睡状態中、一部過去の記憶がまだ断片しか戻らず。それでも雲の平や水晶へ登ったなど一部思い出してきている。何より残った写真を見つつ順次記憶が戻りつつある。

ただし倒れた当時の記憶だけは何故か全くなく。当日どうやって会議のあるホテルへ行ったのかすらわからない。会議の状況も全く記憶していないのだ。それどころか、朦朧とする意識で「ああ、折立かどこかで転んでヘリ搬送されたのかな…」とも想像したり。麻酔されていたためなのか、あいまいな記憶は少しずつですが戻ってきてはいます。

北アルプスレコも完成させたいですが、あわせて心臓病闘病から山への復活をメモって行こうかと思います(でもすぐには無理だろうなぁ)。

あの三浦雄一郎氏も心臓病を克服して80歳でエベレスト登頂したのです。自分もきっとこの病を克服し、復活してまた山へ行くぞっ ! との気持ちと、同じような病気(自分の病気がまだ細かくわかる前ですが、心臓の病気にはまちがいありません)の方の参考と励みになればと、思った次第です。

多くの幸運と周りの方々の迅速な処置で、ひとまず一命を取り留めました。「ひとまず」ですが。それでも感謝の気持ちしかありません。

下界は猛暑、山はコバイケイソウなど数十年来の高山植物の当たり年であるこの夏ーすでに笠ヶ岳から西鎌尾根にも2泊3日で行きました。その翌週さらに雲の平、水晶岳、鷲羽岳から三俣蓮華岳を経て黒部五郎岳を周遊して楽しめてよかった、と思う反面、山の中で倒れていたらおそらくはこの北アルプスが人生最後の山旅になっていたかもしれません。

倒れた時の状態を聞くに、山の中でしたら絶対助かっていないですから。折立ですらどうだったか。いや、唯一助かる条件のところで倒れたとしか思えません。自分に心臓疾患があるとは全く思っていませんでしたから。

ドキっとします。

アルプスの最奥部で、山の神さまが『ここで倒れてはダメ。体を治してまた戻ってきておいで』と、言ってくれたのだと思います。

(撮影 7/23 太郎平小屋への途中、北ノ俣岳付近にて)
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