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… 『ハイっ!』
『今までに心臓止まった経験があるひと…(し、死んじゃってるか)』
…『ハイ、ハーイっ!』
『い、一度死んでから… い、生き返った事があるひとー!(いるわけないよな、そんな人)』
…『ハイ、ハイ、ハーイ、僕ですっ!!』
こんな会話、ありえないと思うけど、まさにこの夏、自分の身に降りかかった事。
もちろんキリスト様のように死んでから自分で天国から舞い降りて復活した訳ではなく、僕は神様でも何でもない、ただのヒト。
その時僕は心筋梗塞で倒れ、心臓は1度本当に止まった。別の世界に行きかけた魂は幾多の方々の祈りの甲斐あってか、現世に引き戻され、僕は再び目覚めました。
が、しかし…
『あれれ、すぐ息が切れるっ』
『ひ、左手が固まってう、動かなーい。何で?』
『こ、これじゃ、とても山なんか登れないじゃないか…』
80日余りの闘病生活を経て、なおリハビリと身体の回復のため苦闘する日々の真っ最中。
左の中指が動くようになる進歩があったかと思うと翌日は胸に疼痛が…
一進一退、辛抱の日々。
そして今日、10月21日。秋晴れ、快晴。微風、暑くもなく寒くもないという絶好の山日和。
思い切って家から一番近い山、「東谷山(とうごくさん)」へ足を向ける決心が僕を動かす。
標高はわずか198.3メートル。自宅の玄関から徒歩20分もあれば登山口。ここから山頂へはわずか30分、トレラン走者なら15分で到着。標高差たったの123メートル。山というより遊歩道、と行ったほうがいいコース。
それでも、心臓手術からまだ47日目の自分。まだ胸帯で開胸部を保護している最中。不安が不安を呼ぶ。いや、何よりも標高を稼ぐために長い時間歩くのは術後初めて。入院している最中に多少リハビリを兼ねて病院の廊下はよく歩き、階段の上り下りもたまにはしていたけども…。
心拍数が上がりすぎてまた心臓が止まってしまわないだろうか? そもそも呼吸が苦しくならないか? 近くに病院もない、倒れても救急車が来れる登山口までどうやって降ろす? 肝心のAEDも全くないぞ!
頼みの綱は、倒れた後に今後を考えて入手したApple Watch。これで心拍数を常時ウォッチ。山道に入ったら時計と終始にらめっこ、心拍数が100超えるとペースを調整し、深呼吸。大事に、大事に、一歩また一歩と足を進めていく事20分ほど。見慣れた山頂の神社が見えてきたっ!
思わず目頭が熱くなるほど嬉しくて、そして何だか胸の中のモヤモヤがさっと消えていくようで…
いつ心臓が止まるんじゃないかと、劔や穂高の岩稜なんかよりずっと緊張して歩いたのは、往復でたった小一時間の山とも呼べない山。それでもこのちっぽけな山が、僕にとってはとっても大きな、大きな山に思えた。
山頂からは標高629メートル、鈴鹿と共にホームグラウンドの山、僕らが愛情込めて(?)呼ぶ「ザーゲ」こと猿投山が正面、青空に映えて素敵だ。まるで「次はこちらにおいで、おいで」と手招きしているみたいだった。
焦らず、着実に、僕は山に帰って行こう。なんたって、山の女神様に「あの世」から呼び戻されたんですからね。
『まだまだ登ってない山がいっぱいありますよ。あちらに行くのはまだ早い。さあ、一緒に登りましょう!』
山の女神は気まぐれ。次はどこの山から呼び声が聞こえるのかな。
探しに行かなくちゃ… 😁
(写真: 自宅近くから東谷山遠望/ 命守るApple Watch/ 山頂から猿投山)
kennyanさん、こんにちわ。
山で心臓が止まるっ。。てのも
笑えませんが、あまり無理されませんように。。
ぼちぼちと。。。山の女神さまに会いに行きましょう。。
私も今年は腰痛と膝痛で二つしか山に登っていませんが、
そのうちの一つが猿投山。。いいお山でした。
k-yamaneさん。
はい、せっかくの山の女神からのお誘いです。慌てて出かけて行くのも行けないですね。ちゃんと準備をして、気持ちを整えて、それからですね。
何と言っても「女神様」に会いに行くのですから、整えるところは整えて、きらわれないようにしなくてはね。
ありがとうございます。
腰・膝もご自愛ください。
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