遠くに行けず、やむなく足を向けただけかもしれないのだけれど、この山は世界が翻弄された1年を行くたびに考えさせてくれる豊かな表情を見せて僕をいつも迎えてくれた。
アルプスのようなダイナミックさもない。
味わい深い山小屋もない。登って得られるご褒美のパノラマもない。あれもない、これもない。
不安を煽りだけのあのウィルスのせいで『出来ない』『行けない』『やれない』ばかりの1年だと思えた。
なのに、この山が語りかけ続てきたのは真逆のこと。
『アルプスがなんだ。僕には魅力的な残雪も岩稜も何もないけど、こんな年だからこそ来てくれる人がこんなにいるじゃないか。』
そうか… そうだよね。
つい『ないない』気分になってしまう年だったけど、そうじゃあないよね。
出来なかったことを数えるより、やりたいことを数えよう。
逝った人に会えなかった事を嘆くより、新しい出会いがあることを楽しみにしよう。
行けなかった山を悔やむより、まだ見ぬ景色に胸を躍らそう。
暮れ行く年も、来たる年も同じ時間が流れる。今年も、来年も。
だから今思う事は、1年、365日、31,536,000秒の後に笑顔があふれる世界があること。
街でも、山でも、家族も、見知らぬ人も、昨日まで嫌いだった人も、テレビに映る遠い国の人も、笑顔で振り返る1年、31,536,000秒後がある事を祈ろう、そして信じよう。
来年もこの山に登り続けようと思う年の瀬でした。
皆様、良き新年である事を…
レコ【東谷山・春夏秋冬ゆく年来る年】
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