マラケシュの声 -ある旅のあとの断想-

モロッコの古都マラケシュの人々の心に深く旅し、その話し言葉・叫び声・つぶやき・歌などの神話的・呪術的に響きあう聴覚上の世界に、失われた「原初の言葉の顕現」と「人間の魂の始原の郷国」をさぐりだす。異文化にふれあいながら、作家カネッティの「死の意識」の風景のなかに、マラケシュが直面する内的現実を浮き彫りにした感受性あふれる紀行文学的文明論。(書籍紹介より)

昨日あるドキュメンタリー映画を観ていてこの本のことを思い出した。
この本を読み、極力余計な情報を持たず心で感じ取ろうと世界を旅していた時期があった。
受ける感動は増幅したが情報不足により見逃すものや金銭的損失も増え、時間的な制約と治安の問題などから
結局ガイドブックに倣うような効率的ではあるが画一的な旅行スタイルに戻った。
時折あの自由奔放な日々を思い出すが今はもう出来ないと思う。

コメント

bskylight

海外とは…
世界を旅してたんですね！

自由奔放と言えばそうだけど危険も伴うから勇気がいるので中々出来る事ではないと思いました(*_*)。。。私は山単独出来ても海外単独旅行を思いたった事無いです。

monkichikun

Re: 海外とは…
勇気というよりは若さゆえの好奇心と危険に対して鈍感だった部分があったと思います。
今でもあの頃のように旅の中に身を置きたい気持ちはありますが自分自身の内面が変わってしまい同じような場所を旅してもかつての感覚を取り戻せないでしょう。
味覚の一部を失ったままご馳走を食べているような感覚といえば近いかな。