信州人の呟き。「湯ノ丸山、烏帽子岳へ行く」

湯ノ丸山（２１０１Ｍ）、烏帽子岳（２０６５Ｍ）は、長野県東御市にある山である。

天気は快晴。こんな日は何故かソワソワする。

湯ノ丸スキー場のある地蔵峠（登山口）までは我が家から２０分。
朝９時、今から行っても午後２時ごろまでには戻れる。
奥さんをいかに説得するか。（いつもそれが問題である）

この所、家の用事をおろそかにしていたので、言い出しづらい。

「明日からは天気が悪くなるので、家の中の雑用をするには良いかもね」とか。誘い水をあれこれ言って、ご機嫌取りをする。
奥さんは毎度のことで、あきれ顔である。

そんなこんな、苦労のし甲斐があって、地蔵峠へ向かった。

山は雪が少ない。それでもアイゼンを装着しないと登りづらい。気温が高いせいか、遠方の山は霞んでいる。

歩むピッチは速くない。頻繁に休みながら湯ノ丸山の頂上に立った。
一息いれてから烏帽子岳に向かった。

烏帽子岳の稜線へ出ると、我が町の全景が見える。
山の稜線から見下ろすと、暮らしている場所がほんとに小さく見える。

はるか遠くに連なる山並みを見渡していると、日常の些事が頭の隅からすっかり消える。

空が近い。今日は風もなく、絶好の登山日和であった。

「好き勝手なことが出来る今に感謝、体が動ける今に感謝、そして奥さんに感謝」そんな思いが自然に湧いてきた。