墓のある「巫女の眠る地」から、祢津城山(長野県東御市)の登り口まで歩いて20分程である。
巫女は「ののうさま」と呼ばれ、神仏と人間の間に立って、人々の願いを神仏へ取り次ぐ役目を果たしていた(口寄せ)女性である。
風は冷たいが、春の息吹を感ずる。
5,6分で祢津日吉神社、そして東町歌舞伎舞台に着く。そこでは毎年4月29日に歌舞伎が催され、多くの人で賑わう。子供たちの演ずる歌舞伎役者には拍手万来である。そんな騒々しさも、今は閉ざされた扉の中に押し込められている。
すぐ隣の大日堂で合掌し、城山へ向かう。
祢津健事神社の境内にある西宮歌舞伎舞台に立ち寄り、暫く坂道を登ると城山の登り口である。
城山(875M)の頂上へは、あっという間である。地元の人たちが良く整備しているので危険な所はない。いつも地元の人の整備には頭が下がる。(裏側から登ると、ロープ箇所が3か所あり、少し大変です)
上りも下りも、街の全景が見える。すこぶる気分が良い。
頂上にはベンチが二つあり、そこに腰を下ろし眼下の街を見下ろすと、殿様気分になる。
わが家の裏山のような低山であるが、視界の良さ故、高山へ登った気分になる。北アルプスから八ヶ岳、そして甲武信ケ岳方面まで見ることが出来る。
子供さんを連れて、ピクニックには最適の山と思う。特に桜咲く季節には、多くの人に登って欲しい。
太陽の光を全身に浴びて、我が街を見下ろしながら下る。
家に向かう道で、学校へ向かう小学生に会う。
「おはよう」「おはようございます」
子供たちの元気な掛け声は、心を和ませる。時々挨拶をしないで、うつむき加減で歩いていく子もいるが、こっちから声をかけてやると「おはようございます」と声が返ってくる。はにかみ屋で内気な子でも、周りが暖かい手を差し伸べてやりさえすれば、必ずそれに答えてくれる。
「おはよう」という一言で、「今日も一日頑張ろう」と、気力が湧いてきた単純な私でした。
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