信州峠へ着いたのは9時40分であった。生憎の曇り空で、視界に不安があった。
横尾山と言えば、カヤトの原から見える富士山が美しいので、それが見えなければこの山の魅力が半減する。山そのものを目的に登る場合は、視界よりも頂上を極めることに喜びを感ずるが、山によっては景色や花を楽しむ為に登る山がある。山友と登る場合、その山に何らかの付加価値を求めて登ることが多い。
横尾山は初心者でも登れ、歩行は往復3時間位、そして車で登山口まで2時間以内の景色が良いということで選んだ山であった。
最初は上りであるが、整備された道なので、新緑の中を登山気分を味わいながら歩く。樹林の間から振り返ると瑞牆山の岩峰がすぐ目の前に見える。瑞牆山は見ているととても登れそうにない岩山であるが、実際は小学生が学校登山で登る素晴らしい山である。
荒々しい山を振り返りながら歩いていくと、山梨県側の山の上に富士山の頂上部分がちょこんと見えた。期待が膨らむ。
汗をかくかかかない裡にカヤトの原に着く。期待にそぐわず富士山がその秀麗な姿を目の前に現した。南アルプスの山々、八ヶ岳、遠く中央アルプス、雲はあるが視界は素晴らしい。目を転ずれば、浅間連峰や佐久地方の山々と信州の雄峰が見える。来たかいがある。
この場所から頂上まで、起伏が少ない行程を40分ソコソコである。
再びこの場所で景色を堪能しようと歩を進めた。
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