田舎のひっそりとした山。誰も登りそうもない山。12月のこの時期、10月の台風で道がどうなっているのかわからないのに、わざわざ出かけていく。物好きと言わずして何と言おうか。そんな山へ登った。
長野県青木村にあるこの山は、知名度から言えば、下から数えたほうが早い山であろう。
青木村には「青木三山」と言われる夫神岳、十観山,子檀嶺岳があり、此方のほうが地元では馴染み深いので、行くならばそちらの方へ行くのが一般的である。
それらの山に比べると、何処にあるのかわからない。ひっそりと佇んでいるその山は夫神岳の裏側にかくれるように存在している。そんな山なので、その山の名を出して誘っても乗ってくる者は少ない。眺望が良いわけでもない。急登の山であるし、特に強調できる材料がない。
無名の山をピークハントしている山好きには興味の対象になろうが、メジャー志向の登山者には見捨てられた山と言っても過言でない。
以前向かい側にある天狗山に行き、下山場所にこの山の登山口があつた。その時から気になって、一度登ってみたい単純にそう思ったので、今回出向いたわけである。
実際、特に何もない山であった。
強いて言えば、車道が途中台風被害で通行できず、登山口まで30分程歩いたとか、登山口で登山道がよく解らず、違う方向へ進み引き返したとか、急登の林の中で目印の赤テープが見つからず右往左往して登ったとか、話せば面白いハプニングの連続であったが、初冬の時期故に、落葉している樹間から遠方の景色がちらちら見えたの救い、そんな印象だけが残った里山であった。
地方の里山にはこんな山が多い。ハズレは多いが、時にメジャーな山よりも面白く、味わい深い山に出会えることもある、そんな偶然の喜びや感動を期待して、近くの里山へ足を向ける。
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