富士山とは実に不思議な山である。
どんな山に登っても富士山が見えると、人は感嘆の声を上げる。
日本人で富士山を見て、感情の昂ぶりを覚えない人はおるまい。
ことほど左様に富士山は心の琴線を揺さぶる山である。
最初にその山を眼にすれば(日本人であろうと外国人であろうと)その美しさ、そして圧倒的な存在感に慄く。(間近で見慣れている人は新鮮な驚きが失せているかもしれぬが、暫くその場を離れ、突然富士山が目の前に現れた時を想像すれば、自明である)
今回、富士山が目の前に見える山、百蔵山へ登った。
幸い好天に恵まれ、噂に違わぬ雪を抱いた富士山の美しい姿を眼にすることが出来た。
この山は、最初からずっと上りであるが、1時間そこそこで頂上へ着くことが出来る。運動不足の身にはしんどいが、頂上での眺望を考えれば、そのくらいの苦は、苦のうちに入らぬ。
もし富士山が全く見えなかったら、疲労感が肩にのしかかり、良い運動になったと自分を慰め、心残りで下山したことであろう。
願わくば百蔵山へ登らんと思う人は、晴天の日で、富士山の山頂付近に雲がかかっていない日に登られんことを。
こんな山を地元に持てた人はつくづく幸せだと思った。
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