雄阿寒岳2012.8.17
雄阿寒岳にはこの二首を見つけている。
斑雪(はだれ)置く雄阿寒岳は深々と落ち込める谷の向こうに峙てり 川田順
いかさまの蝦夷の古神おきなさび鎮まりますぞ雄阿寒の岳 小杉放庵
神のごと遠く姿をあらわせる阿寒の山の雪のあけぼの 石川啄木
雌阿寒岳雌阿寒を詠んだ歌があります。
みづうみは高きにありて雌阿寒のやま雄阿寒のやま海靄(かす)くもりせり 斉藤茂吉
山々の黒きしげりの上にして光のなかの雌阿寒の山 佐藤佐太郎
私が登った時は、佐太郎の見た雌阿寒と違って残念だった。
佐太郎はどこから雌阿寒を眺めたのだろう。斉藤茂吉の歌も釧路方面から見たのでしょうかね。
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雄阿寒岳 登山記
昨日16日、幌尻岳に行く予定で、とよぬか山荘まで行きましたが、雨のたあめに17日はバスが出ない。それでキャンセルして、予定変更。天気予報を調べると道東地区が曇り晴れの様子。進路を東へ。
阿寒湖の湖畔で夜明かしして、滝口へ。
雄阿寒岳の登山口へ。習志野ナンバーの車が一台。この人と前後して登山することになる。習志野人、61歳。建築業の人、二百名山チャレンジ中。山としてはさして魅力を感じているわけではない。今回の中の山の中では一番嫌な山の印象。
なぜなら眺望はない樹林帯あるきだし、高さもないし、派手さもない。
ともかく朝の露にびしょびしょになりながら、歩いて稜線に出てても視界なし。山頂も感激なし。
百名山でなければ登りたくない山を終えました。でも雌阿寒岳も登らないといけませんので、つぎ8月20日に登ります。
長靴の感想ですが、なんとかなりますね。中敷入れたほうがいいでしょう。(阿寒湖畔セブンイレブン駐車場で)
う〜ん、冷たい書き方してますね。この山、深田久弥も書いていますが、形がいいです。弟子屈に向かう途中から見た姿はほれぼれします。
山も樹林帯の登りがほとんどですが、稜線に出ると、この山が火山であることがわかって感動します。火口はお花畑になっていて、時期ならば美しいでしょう。それに天気が良ければ、道東の山々が眺められたかもしれません。
新潮社の新装版「日本百名山」では阿寒岳として標高は雌阿寒岳の1503mをとり、写真は雄阿寒岳(内田良平)を掲載しています。
登山口の滝口は阿寒湖の隅にあたり、静寂なところです。太郎・次郎の池も幻想的なムードをたたえていますが、次郎のほとりには道はありませんでした。8合目まで我慢ですが、8合目から上は晴れていればたのしいでしょう。
神のごと遠く姿をあらわせる阿寒の山の雪のあけぼの 石川啄木
この歌碑を見過ごしてきました。
10年前に妻と北海道ツアーに出かけ、この阿寒湖で1泊。アイヌの伝統舞踊と演奏をかがり火を焚いた場所で見ました。とても幻想的でしたが、いまではその場所にアイヌコタンのお土産屋の村ができ、劇場がありました。以前の面影はありませんでした。でも最初の車中泊はそこの駐車場でした。お世話になりました。
感激がないと書きましたが、いま思うと最初の山で天気を期待して向かったのに、ガスってしまって裏切られたというおもいだからでしょう。静かな登山ができて、それはそれなりの趣があります。北海道の森林の深さを知る最初の山になりました。
登山後、斜里岳に向かいました。清里の町へドライブです。国道80キロのスピードでどの車もはしってます。(ただし大きな市内は注意です。札幌や旭川などの都市は警察が機能してますよ)
雌阿寒岳登山記 2012.8.20
阿寒岳は雄阿寒と雌阿寒を登らないといけない。深田久弥は雄阿寒に登って雌阿寒に登ろうとしたら、噴火で登山禁止になったのだ。
ヤマレコでは標高の高い雌阿寒を百名山にカウントしている。
ともかく、道は6合目で左に向きを帰るのを、たまたま一緒になった人が直進してしまい、7合目をパスして、ルート外の道を歩いてしまった。
途中で、その人を置いて、ルートへ戻る道をたどる。その人は最後まで登ってこなかった。
東京から来たという若い夫婦が9合目でたじろいでいた。ツアーの団体が強風のために9合目で行動中止で撤退してきた。
わたしは百名山が掛かっているので、強行突破。若い二人をつれて山頂に立てた。
ともかく天気は下界と違い、雲の中はすさまじい風で、噴火口から吹き上げて来て、思わずよろけてしまう。
無事、下ることができて良かった。
途中で団体さんを追い越したが、口々に「山頂まで行きましたか」と聞かれるので、
「行きましたよ、でもすごい風で、若い女性が飛ばされそうになったから、行かなくて正解ですよ」と慰めを言った。7合目からは晴れている。このガイドさんとも少し話したけれど、判断はよかったと思う。
ただいま幌尻岳の登山口とよぬか山荘に来ています。(2012.8.20
偉そうなこと書いていますが、深田久弥の百名山、結構読み違えていたりしているので、雌阿寒岳で終わるのもいいでしょう。
昭文社の「日本百名山を登る」の阿寒岳は雌阿寒岳のみをガイドしています。いいこと書いてある。
アイヌ語で雌阿寒岳はマチ・ネシリ(女山)、雄阿寒はビン・ネシリ(男山)と呼ばれて夫婦山だったとのこと。<シリ>とはアイヌ語で<山>を指すのでしょうね。ホロシリ、リシリ・・・・
雌阿寒岳温泉の駐車場へ戻って、濡れたものをかわかしている時に、地元の人がやってきて、一人は業者で、あちこと点検していたけど、一人は役場のひとかな。
「え-、埼玉ですか。今日は登ったんですか?」
「山頂はすごい風で、団体さんは9合目で降りてきました。でも私より先に行った人が戻ってこないから、あのまま阿寒富士のほうへまわったんでしょうかね」
「あっちはね、阿寒富士と雌阿寒のところは風の通り道で、すごい風が来るんだよ」
「向うへ回る予定でしたがやめたんです」
「それでいいですよ。とんでもない風がふくあらね危険ですよ」
とうことで、地元の人が言うのだから、無理せず正解だった。
ついにこの雌阿案の荒れた噴火口の景色を見ることはなかったが、またおいでということかも。
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