いつかある日山で・・・

「いつかある日山で死んだら」
深田久弥の作詞なんですね。山岳会に入って最初に覚えた歌ですよ。もう60年前だ。この歌とともに私は山に魅せられていったのだ。




若い時に山の友を荼毘に付してこの歌を歌った。夜空に昇る煙に彼の姿を負った。あれから五十年が過ぎて、今一人最高に楽しかった友が逝った。私と72回も一緒に歩いた。こんな悲しみがあっていいのか。




馬の背の下りを眺めて、怖いよと、大笑いしたね。二人で歩いた穂高は忘れない。二人で歩いた平ヶ岳、三人で歩いた鳥甲山、雪の景鶴山、鈴ヶ岳で群馬百名山おめでとう。たくさんの想い出をありがとう。未丈ケ岳は面白かったね。私の胸の中にあなたは生き続けているんだよ。ありがとうね。
この歌を私はあなたに捧げたい。

「山への祈り」
雪の肌にそっと　耳をあてれば　
美しい歌が　聞こえてくる
山の胸に眠る　命の声か

雪の中の谷間　岩のほとりに
つつましく揺れる　白い花
山の胸に眠る　いのちの姿

雪もとけて山に　春がめぐれば　
ひとすじの煙　立のぼるよ
山に別れをつげる　いのちのこころ
・・・・・・・・・
＜山の賛歌＞
雪の白さに　心そめて
空の青さに　心あずけて
ひたすらに頂　目指し一人行く
この幸せ　許してくれ　許してくれよ

山でこそ　山でこそ
燃え上がる　このいのち
燃え上がる　若いいのちよ

山の緑に　心そめて
雲の下に　心あずけて
ひたすらに高見を　望み踏みしめる
この自由　信じてくれ信じてくれよ

今度一人で山に行ったら山頂であなたの為に歌うから聞いてくれ。もっと一緒に歩きたかったのに。悔しいよ。
私のブログに、この歌と「山の賛歌」を取り上げていました。二つとも美しい歌だと思います。若い時代に戻れるな。
https://ameblo.jp/hagure1945/entry-11225202064.html

『未丈ヶ岳』
未丈ヶ岳ミヤマアカネの群れて飛ぶ

うぐいすの一声きいて気をもどす未丈の頂まぢかなり
一筋の雪渓深く残しつつ蒼く横たう越後駒みゆ
定規のように尾根をひく荒沢岳のなんときびしい
山深き越後の山に分け入れば会津も更に山ふかき国
山頂でハッピーバースディ友歌う七十六歳未丈岳かな
わが友は癌に抗う山登り回復をみる一歩の確かさ
我襲う脱水症と熱中症冷たい沢に意識をもどす
存分に冷たき水を口にする命の水でわれ甦る

　　　　　　　　　　　　　　　　合掌

コメント

aonuma1000

hagureさん　切ないですね。
ただただ　御名前を連呼して
合掌。