65 両神山
両神山は埼玉県の山ですから、たくさんに詠まれて良いのですが、意外と少ないです。
深田久弥の百名山では、『両神山はイザナギ・イザナミの両神を祀ってあるところから、その名がきたと伝えられている。わが国の各地にある「二上山」ももとは二神山であって、ニ峰相並んで雌雄神の様に立っている。ところが両神山はどうみても二峰聳立(しょうりつ)の形ではない。」「八日見山」の別称があって、また竜神山とも呼ばれており、そこから変化して「両神」となって、ニ神を祀ったという。これは小暮理太郎の考証によると述べているが、もし最初から二神を祀られているならば、大きな神社があっても不思議ではない。だから小暮の説が正しいだろう。ヤマト尊の東征伝説と絡めば、両神神社の大社があってもよいだろう。秩父神社がそれに当たるとは聞いていない。
秩父市の由来はアイヌ語なんですね。
そんなわけですが、短歌の世界でも不遇ですね。
県道は白くかわけり唐土(もろこし)の高き穂の上に両神の山
佐々木信綱
稜線のとみ展けて天理岳八丁峠の大きな枯れ尾根 柳瀬留治
岸壁の深き谷より斧の音樵かも冬の山さびします 同
という歌しか探せていません。
柳瀬も「両神」の名を読み込んでいない。ネット短歌の中も「両神山」は見ていない。
異形の歌人 逗子八郎が、詠んでいる。
あらあらしい山頂の憩いに目にとめる遠く鋸歯状に連なる両神山の岩峰
この歌人は、散文に近い詩形で、短歌と称するので、いささか私も取り扱いにっ困ってはいる。
八丁峠から両神まで岩峯の鎖が連続している。山友のユメさんが単独で往復している。私が不在の時に出かけていた。私も行きたかったのだが。
短歌で山名があるのは佐々木信綱の里からの歌で、柳瀬は山頂からの歌だともう。
柳瀬の「山旅五十年」のp184(「雪の両神山」昭和35年12月とある。)山名を詠んでくれないと・・・
つまり、現在のところ、両神山の短歌は1首のみです。
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