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らくルートの自動入力・手動入力で山行計画を作成したときに表示される「GPS標高」は、結局「SRTM標高」と同じ標高データであって、ただ累積標高の計算方法が異なる、ということが後日分かりました。詳しくは2025年3月11日の日記を御覧ください。
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ヤマレコの山行計画で表示される「GPS標高」は何かという件について、今のところの結論は以下の通り。
1)らくルートに外部からGPSログを登録した場合は、その値をそのまま使用
2)らくルート内でルートを作成した場合は、ヤマレコのシステムが国土地理院・SRTM以外の何らかの数値標高モデルから取得した値
(なお、GISソフト等で作成したgpxファイルをらくルートに登録した場合は、出発・到着高度、最高点・最高点標高は表示されず、標高グラフの国土地理院標高・SRTM標高・GPS標高の切り替えもなくなるが、累積標高と標高グラフは表示される。その標高値は、元のgpxファイルに標高値があるなしに関わらず、「GPS標高」のようである。山行計画、山行記録とも。)
2)について、わざわざ「GPS標高」なるものを表示するのは何のためかというと、これは海外対応と関係しているのではないか、というのが私の憶測。私は新参者なのでヤマレコの歴史を知らないが、日記の「新機能リリース」でヤマレコが使用する数値標高モデルに関して以下のような経緯が辿れる。
・最初はNASAのSRTM(解像度30m)だけを使用していた。
・国内については、以下のように国土地理院標高(解像度10mのDEM10B)も徐々に使用するようになった。
・2015年9月から、標高グラフの表示に使用するようになった
・2018年11月以降、山行記録のGPSデータの標高をDEM10Bで置き換える機能を追加した
・2021年12月以降、累積標高差計算にも使用するようになった
このように、国内については国土地理院標高への置き換えができた。海外についても、今となってはSRTMのままでは解像度が低すぎるので、より解像度の高い数値標高モデルも使用するようにしたのではなかろうか、ということである。
累積標高に関して、国内については、標高ページでは国土地理院標高、SRTM標高、GPS標高が切り替えて表示できるが、トップページで表示されるのは国土地理院標高の値である。らくルートで日本国外を表示すると、海外対応の地図に切り替わる。標高ページで国土地理院標高は表示されなくなり、SRTM標高とGPS標高だけになる。トップページで表示されるのはGPS標高の値である。したがって、国土地理院標高に相当するものとして海外では「GPS標高」を使用していることになる。
ためしに、自分のグランドキャニオンでの記録でチェックしてみた。山行記録に表示される出発・到着高度、最高点・最低点標高は、当然自分で登録したGPS記録の値そのままである。同じ場所について山行計画でらくルートの地図を表示すると、その時の足跡が表示されている。これの最初の緩傾斜の部分を手動作成で辿ってルートを作成し、「GPS標高」の標高値を見てみると、自分のGPSの記録より20mほど高い値になっている。これが数値標高モデルから取得した標高値ということだろう。
(ちなみに、この記録にも体力度や歩くペースが表示されている。ということは、標準コースタイムを計算しているということだが、そのベースは「GPS標高」だろうか? これまで、国内の標準コースタイムは国土地理院標高で計算するのだろうと勝手に思っていたが、本当にそうなっているだろうか?)
より解像度の高い数値標高モデルを使用することでサービスを改善したということのようだが、これに関してのアナウンスは見たことがない。私の見落としだろうか?
国土地理院標高・SRTM標高・GPS標高が選択できるのだから、国内については国土地理院標高だけ見てください、ということかもしれない。そうであれば、出発・到着高度、最高点・最高点標高も連動して切り替わるようにしてほしい。現状では「GPS標高」で固定されている。これはあんまりではないだろうか。それから、GPSログの存在しない計画・記録について「GPS標高」という名称を使うのも止めてほしいものである。
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