個人的な登山歴として、1980年代から2000年代初めまで、沢登りと山スキーを中心とした登山を行っていた。その後、10年以上のブランクを経て、2014年に無雪期の尾根歩きに限定して登山を再開し、さらに10年が過ぎた。
このブランクの前後で、日本の登山界の状況は大きく様変わりしていた。個人的に特に感じることを列挙してみる。人間界の方では、登山者の高年齢化、IT化、SNS、環境保護意識の向上、装備の軽量化。自然界の方では、温暖化、熊(に遭遇する確率)や鹿の増加、植生の変化。
高年齢化は自分のことでもある。技術畑の人間ということもあって、IT化はすんなり受け入れて便利になったものだと思う。今でも山に行けているのは、IT化と軽量化のお陰であるところが大きい。一方、ヤマレコをやっていて言うのもなんだが、SNSの方はなかなか馴染めない。
環境保護に関しては、ブランク前は闇テントなんて言葉は聞かなかったと思うし、携帯トイレを持ち歩くことになるとは予想しなかった。営業小屋には昔からほとんど泊まったことがないが、コロナ後の予約化と宿泊費の高騰で、さらに縁がなくなった。
温暖化で年間の登山適期や山行形態が変わりそうである。局所的豪雨の多発と寡雪化のために、沢登りと山スキーはやりにくくなったのではないかと思うが、現役の知り合いが少ないので、実際のところは分からない。
熊鈴をつけて歩くようになるとは思わなかった。太平洋側では鹿の食害で下薮がなくなり、どこへ行っても見通しが良くなった。昔魔境と言われたような所でも、GPSのお陰もあって、比較的簡単に歩けるようになった。そのうち有毒植物の蜜薮だらけになるのかもしれないが。
まったく個人的なことだが、山行のアクセス方法が、ブランク前はほとんど車だったが、ブランク後は公共交通機関利用となった(東京在住だからできることだと思うが)。これに伴って、山行ルートがブランク前はほとんど往復ないし周回型だったものが、ブラング後は行ったきりというか、なるべく始点と終点を離そうと思うようになった。さらにこれに伴って、赤線繋ぎを意識するようになった。
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