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環境省 クマ類の出没対応マニュアル(改定版)資料編1 都道府県別被害者数の推移
クマによる人的被害の件数や被害者数は年ごとの変動が大きいが、10年毎の平均値として見ると、負傷者数は1980年代の17人/年から2010年代の97人/年へと、ほぼ直線的に増加している。
クマによる人的被害には、平常年とその2倍ほどの被害者が出る大量出没年とがある。大量出没(異常出没ともいう)が初めて話題になったのは2001年ということらしいが、1999年に既にその兆候がある。大量出没年の出現は頻度を増しているようにも見える。
1980年代と2010年代を比較すると、平常年の負傷者数が数倍に増えているのに加えて、大量出没年が頻発するようになったため、平均年間負傷者数が約6倍に増加するという結果になっている。
平常年の負傷者数の増加は、クマの生息域拡大(おそらく生息数も増加)と人里への進出を反映している。大量出没はブナ等の堅果類の凶作年に発生する。堅果類の豊凶とそれがクマの行動を左右するという現象は大昔から存在したと思われるが、クマの生息域拡大と人里への進出に伴って、より極端な形で表れるようになったのだろう。
地域別の傾向を、ごく大まかに以下の4地域に分けて見てみる。なお、クマは九州では絶滅したとされており、また沖縄には元々存在しておらず、共にこの統計に含まれていない。四国4県と茨城県、千葉県、大阪府はその他に含めるが、負傷者、死亡者ともゼロである。
・北海道
・東北6県(青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島)
・中央部9県(新潟、栃木、群馬、長野、山梨、岐阜、富山、石川、福井)
・その他24都道府県
1980年以降2025年9月までの全国負傷者総数は2936人。うち東北6県は1522人で52%、中央部9県は1070人で36%を占める。10年ごとの年平均負傷者数で見ると、東北6県ではほぼ直線的に増加しているのに対して、中央部9県では2000年代に大幅に増加しており、その後はあまり増加していない。平常年と大量出没年のコントラストは中央部9県でより顕著である(まとめ方にもよるが)。ただし、2023年の東北、特に秋田県と岩手県の大量出没は例外である。
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