私は放出軍用品(サープラス)を好んで使用する。
別にルックスが好みとか、ミリオタってワケでも無いが質実剛健&安価が理由だ。
・重い
・サイズ合いにくい
・安定供給されない
以外に不満は無く、性能、耐久性は抜きん出て優れている。
サープラスを使うと面白い事がわかってくる。
以前、ゴアテックスオーバーパンツが新品6800円で販売されていた。
商品写真を見ると確かにゴアのロゴが入っている。
裏側の写真も掲載されていたが、そこで違和感を感じた。
濃いめの茶色のフィルムなのだ。
それの何がおかしいの?ゴア茶色あるよね??
いや実はこの話は相当前の事になる。
当時、ゴアテックスメンブレンと言えば白色で、2レイヤーとか3レイヤーとかは、そこに表地や裏地ををラミネートした物だった。
見た目は白っぽいグレー。
茶色のゴアなんて存在しなかった。
あまりの安さと見た目の違和感でコピー品?と疑ったが、販売店は有名サッカー選手と同名のあのお店。
アヤシイ商品を扱うワケがない。
面白そうだから買ってみた。
で、使ってみた。
で、驚愕。
未体験の透湿性能。
それまでのゴアは透湿性あるものの、運動すれば多少蒸れるのは当然だった。
しかし、このパンツは全くと言ってよいほど蒸れない。
自分が汗かかなかったのか?とパンツの内側を見たら、シームテープの箇所だけビショビショに濡れている。
相当汗を掻いたらしい。
こりゃスゲーや、ともう一本買い足した。
更に後にモデル違いを買い足して、合計3本持っている。
(先日の猫又で履いていますね。)
で、更に面白いのはここから。
パンツを購入してから1〜2年後、各アウトドアメーカーから新作のゴアテックスアイテムが登場した。
「最新のゴアテクノロジーを採用した、透湿性が大幅にアップした…」ってな謳い文句だった。
そこで紹介されている写真は、私は見慣れた例の茶色のゴアフィルム。
おわかりだろうか、ペンタゴンにすれば「こんな古いモデルのゴアパンツ、民間放出でエエよ。」とオワコン化した素材が、数年後に最新の素材として日本のアウトドアメーカーで採用されているのだ。
この図式は何もゴア社だけではない。
ポーラテックもコーデュラも素材メーカーの一番の上得意様はアメリカ国防総省だ。
各エンドメーカーも軍需産業が最大のマーケットだ。
アウトドアリサーチ、アークテリクス、マックパック、カリマー、などなど、更に平和主義に思えるパタゴニアまで。
また、ガーミンもペンタゴン様様だ。
そもそもグローバルポジショニングシステムの開発やインターネット拡充の背景は軍需だ。
新素材開発からマーケット下支えまで、アメリカの軍事費(アメリカの税金)がガンガン投入されている。
私はこの図式を否定するつもりは無い。
しかし、我々日本人は平和ボケしているが、ありがたく使っている機能性素材の多くは軍需により開発された物だと少し考えてみては如何だろうか。
もしも戦争が無ければ素材開発も鈍化したはずで、現状の良いギアが揃っているとは考えにくい。
戦争があるが故の快適登山。
複雑な心境になる。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する