山登りの始まりは十人十色。
私の場合は高校生になったとき、友人に誘われるままハイキング部なるものに入ったこと。
そのころはハイキングとは、お弁当を持って野山を歩く遠足程度のことを思っていた。
しかし、初めての山は酷いものだった。
春、奥武蔵の藤棚山・蕨山というコースが新入部員歓迎山行だった。
参加したのは新入りの私たち、在来部員が5名ほど、OBが1人と記憶している。
電車・バスを乗り継ぎ、まずは林道を歩き始めた。
登山口からは登る一方の山道となる。
苦しい、つらい、目の前がチカチカして気が遠くなる・・・私はとうとうダウンした。
貧血状態で朦朧としている。
道の横に仰向けで倒れこんだ私を誰かがタオルで扇いでいる、そしてこの先どうするか相談する声が遠くに聞こえる。
しばらく休憩したあと、私のザックはY先輩が担ぐことになり、やっと持ち直した私は空身で歩くことになった。
「いったいこのザック、何でこんな重いの?」担いだY先輩が愚痴る。
しかし、それはとても恥ずかしくて言えなかった。
『ペンチ、針金、細引き、ガムテープ・・・』なんて、口が裂けても言えない
実は昨日のこと、山登りに行くという話しに、キャンプ好きの兄がアドバイスをくれたのだ。
「山ではこういうものが役に立つんだよ」と、言われるままに私はペンチ、針金、細引き、ガムテープなどをザックに詰め込んだのだった。
その後、山頂に行ったのかどうかなんて、今となっては全く覚えていない。
私がバテた原因は決して重い荷物のせいなんかではない、もっとそれ以前の問題、体力・気力共に軟弱な人間だったのだ。
今思えば、兄のトンチンカンとも思えるアドバイスは真面目だったのか、それともおちょくられたのか、機会があったら訊いてみたいところだ。
今は地方の大学で教授をしている兄だが、どうせそんな大昔のことなど覚えていないと言うに決まっている。
何れにせよ、それを鵜呑みにした私が馬鹿だった、苦く恥ずかしい思い出である。
初めまして!こんにちは。
ペンチも細引きもガムテープ、針金‥どれも持ってて何かあった時には大いに役立つ物ばかりじゃないですか!?私も山登りに行く時はどんな山でも必ずそれで確実に一週間は生きられるよ〜って物を持って行ってます。まぁ‥毎回一割に満たない程度しか使用してないのが実際のところですがね‥
山登りの用意をしてるとき、あらゆる方向でネガティブな事を考えながら用意してるとこうなっちゃうんですね‥私も初心者で本が先生ですから‥ハイ‥
こんにちは、初めまして。
コメントをありがとうございます。
そうですよね、あのコースでも崖崩れ、滑落、遭難・・・山では何が起こるかわからないものです。
そして最悪の事態になった時には、あの重たかった道具が役に立ち、私は皆から感謝されていたかもしれません。
なんて、バテバテ人間が、よく言いますよね。
可能性は低いけどstroheimさんのおっしゃる通り、「何があっても一週間生きられる」って、そのくらいの覚悟をして山に入るのが基本だと思います。
やはり兄のアドバイスは正しかったのでしょうね。
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