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これまでに北アルプスの一般道ルートはほぼ歩いたが、五竜・鹿島槍だけが抜けていたのだ。
夫の提案でこの夏は、八方より入山し扇沢へ抜ける計画を立てた。
準備万端で迎えた出発の朝、家を出る直前に夫は「中止」の決断を下した。
彼は数日前からネットで山の天気を気にしていて、Aだ、Cになった、またAだ、Bだ・・・。
そして今朝、予報はCとなり、中止になったのだ。
山の天気が変りやすいのは分かるが、便利になった世の中ゆえ、ネットの天気予報に振り回されているようで、私は正直、参った。
それこそ40年前の私は、山の天気なんて行ってみないと判らない、雨に降られるのも覚悟の上、荒天ならではの素晴らしい光景に遭遇することもあると、休みを取った都合上もありよほどのことが無ければ決行していたと思う。
しかし今回はちょっと違うのだ。
夫はだいぶ昔に暴風雨の中、何も見えないまま同じコースを歩いたことがあるという。
また同じ状況下を歩かせては申し訳ない、晴天の山を闊歩したいという彼の判断に従おうと思った。
またの機会があるさなどと、のんきに梅漬けの天日干しを始めた。
ところが翌日の夕方、山の天気予報が良い方向に変わり、急遽その日の夜行バスで行くことになった。
梅干し作業は中断、山の装備はそのままだったので、戸締りして出かけた。
八方から入山、一日目は五竜山荘に宿泊した。
重い荷物を背負うのが辛くなった今では山小屋泊は当たり前になり、なるべく軽量化する一方で、しかしどうしても譲れないのが美味しい珈琲である。
数年前の夏に、室堂から薬師・水晶を経て読売新道を降りるコース中、泊まった山小屋は何処もまともな珈琲を飲むことができなかった。
北アルプスの山小屋はきっと大丈夫と思い込んでいたが、いくらお金を出しても無いものは無いのだ。
そんな経験上、美味しい珈琲は持参しなければならないということが分かった。
珈琲豆はいつものキリマンジャロ、山用に買った筒型珈琲ミル、ワイヤーでできたドリッパーにペーパーフィルター、口が細めのヤカン、EPIコンロと小コッヘルのセット、予備のガスボンベ、そしてもう一つのこだわりは陶磁器のカップを持参すること。
全く軽量化になっていないが、やはり山小屋に着いてから自炊室で美味しい珈琲を楽しみたいのである。
二日目は濃いガスの中、キレット小屋には昼前に着いた。
その後は雨が降り始め、軟弱なわれわれにはちょうど良い行程だった。
この日は子供を6匹も見守る子沢山の雷鳥に遭遇した。
夜は満点の星空だ。
三日目、キレット小屋からはいきなり岸壁に張り付くような登りとなる。
起抜けのまだ完全に目覚めていない体には、少々きつい。
ヘリの荷揚げ風景を、小屋のすぐ上で張り付いたまま見ることができた。
文句なしの快晴の日、鹿島槍までは緊張感を味わいながらの登山だったが、振り返れば五竜の稜線より大町側の素晴らしい雲海が眺められる。
鹿島槍北峰から南峰の山頂へ登ると、そこは登山者で賑わっていた。
360度の展望を堪能した後は今夜のねぐら、種池山荘を目指すべく南下する。
いきなり信じがたい光景を目の当たりにし、面食らった。
種池方面にはまるで天上の様な道が続いているではないか。
鹿島槍ヶ岳を境に、五竜岳側と爺ヶ岳側の様相の違い、あまりにもギャップが大きい。
四日目は赤い屋根の種池山荘より、扇沢へ下る。
きっと無理だと思っていたバスの時間に間に合ってしまった。
余裕で大町温泉郷の温泉に浸かる。
朝から入れる温泉はありがたく、体も心もさっぱりして帰京した。
こんなふうに天気予報には振り回されたが、2日ずらして、結果オーライである。
夫の判断のおかげで晴天の山を闊歩できたのだ。
あのまま決行していたら、晴れたのは下山日だけだったろう。
まあ、悪天の山も過ぎてしまえば良き思い出となるのだが、やはり晴れた山のほうが良いに決まっている。
中断していた梅干し作業も無事終わった。
めでたし、めでたし。
初めまして、sari-papaといいます。
今度、22日から同じコース、歩く予定しています。天気、ほんと、心配ですよね。
いい天気で良かったですね。うらやましい!!
sari-papaさん、初めまして。
山、楽しみですね。
本当に天気ばかりが気になる山歩きですが、最悪、核心部付近だけはストレスない天気になって欲しいです。
どうぞお気を付けて、楽しんできてください。
uri95さん、すみませんsari-papaです。
一つお聞きしたいことがあるのですが。
私は、初日、八方尾根から唐松山荘泊(素泊まり自炊)予定してるのですが、唐松山荘は、自炊場がなく外で炊事すると、聞いてます。それであんまりいい印象を持ってないのですが…。五竜小屋は、どうだったのでしょうか?すごーく混んでませんか?
それと、私も夜行バス明けなので、五竜小屋まで行くの、ちょっと躊躇してるのですが…😢😰
しんどくなかったですか?眠かったり…😢😴
2日目はキレット小屋予定です。冷池小屋まで10時間、私には無理ですから😁
お忙しい中申し訳ありません、よろしくお願いします。
自炊室のこと、五竜山荘、キレット小屋、種池山荘と利用しましたが、いずれも居心地の良い落ち着いた場所でした。
キレット小屋では感じの良い若者が二人自炊していただけ、他には自炊の方がいなかったから、とても静かでした。
夜行バスでの影響は、少々眠くだるい時間もありましたが、五竜山荘まで乗り切れました。
あさ7時のゴンドラに乗り、五竜山荘までそんなに遅くならず着いたと思います。
唐松岳は以前通過しているので、今回全く無視でしたが、往復1時間プラスしてもそんなに遅くはならないと思います。
もちろん個人差はありますね、私たちは結構軟弱組です(笑)。
二日目にキレット小屋は、正しいと思います。
日記にも書いたとおり朝一番の出だしが辛いですが、五竜山荘からヘロヘロで核心部を通過するよりは良い気がします。天候との絡みもありますけど。
こんな回答でお役に立つでしょうか。
小屋泊まりで、団体さんとかち合うとちょっと嫌ですね。
幸い私たちは会いませんでしたが、種池山荘は人が多くて、ちょっと騒がしかったです。
でも自炊室だけは静かでした。
くれぐれもお気をつけて。
早速ありがとうございます。😄
一応、初日、五竜小屋まで行く予定します。まあ、眠たなったら唐松山荘泊も考えて…😴
天気がどうなるか、ビクビクです😄👣😍
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