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とはいえ笑われるのも理解できる。知識や経験、体力と集中力、客観的には笑っちゃうくらい必要充分過ぎると映るだろう。因みにおまじないがてら懸垂は15回はあがるようにしておいた。両足を滑らせてもホールドを掴んでいれば腕だけで身体を引き上げる自信はある。そんな事態はないけれど、そんな自信が精神的余裕を生むと信じていた。
だが私が本当に必要としていたのはある種の人生の諦観である。
ジャンダルム、マトモな大人が行くとこではない😆登山自体が合理性を欠いた行為であるのに、さらに死ぬリスクを侵して行くのは阿呆の極み。それでもあの岩場を落ち着いて超えてゆくにはどこか自分の命や人生を軽やかに俯瞰する視点を欲し、気づけは半生を振り返っていた。
出世が遠のこうが構わず正しいと思う仕事をやってきた。限られた時間でバカみたいに身体を鍛えてきた。失敗も間違いも星の数ほどあった。悔しい事も恥ずかしい事もあった。想い描いた通りのパーフェクトな人生ではないが、時代や環境という抗えない変数に翻弄されつつ、不器用ながらも全身全霊ベストは尽くしたという自負がある。そのうえで得たこれまでの人生なのだから、仕方ないというか、満足というか、希望的な諦め、前向きな開き直りの気持ちが芽生えた。
未来ある子供がいるのに危険を冒すべきではないと思う反面、遺伝子は残したのでオスとしての務めは終えたかなと思う側面もある。
貯金や退職金や保険など金勘定して子供二人成人して就職するまでなんとかなりそうと分かった時は不謹慎ながら「これで死ねる!」と喜んだ。
とはいえ諦めが悪いうえに欲望も尽きず、まだまだやりたい事や行きたい場所がある。ジャンダルムを越えた先には、生に執着する一方で、死を見つめて無闇に恐れない境地が待っていた。
山には何もない。だからそこに自分なりの意味を自由に見つけられるのだね。
下山したらオリンピックが終わっていた。
見たら見たで感動するのに、今回は積極的に見ようとする心境にならなかったのが不思議で、考えてみた。
(私も含めて)誰もが感動を必要としている。日常をなんとかサバイブしている多くの飢えた人々はオリンピックに感動を求める。
だが、一部の山屋のような人種は自分の行動によって自分自身に感動を与えることができる。かくいう利己的な私も、誰もよりも自分自身の活躍を大いに期待しているし、会心の山行ができた時は自分に感動している。だから必ずしも感動の源泉をアウトソースしなくて済むのかもしれない。
奇しくも4年前に奥穂から見て死を覚悟したジャンダルムへ挑み、4年間の心技体の集大成として乗り越えた今、胸には金メダルに負けない輝きがある。
私も明日の24時発で見知らぬおっさんとおっさんペアでまた日帰りジャンチャレンジしてきます🙃笑
昨年は西→奥のロープウェイ無しやったら死ぬほどしんどかったので、今年は白出沢からの奥→西ロープウェイ有り、終発の時間制限も有りのやつ。
ジャンダルムは難度と危険度が絶妙で、あれを超えるともうロープ必須になるから、身一つで挑める楽しさと危うさが何とも言えない堪らないと思ってます。
やっぱ色々考えますよねぇ、初めてのジャン。ちなみに私は昨年の初日帰りチャレンジの時は部屋中掃除して、死後見られたら恥ずかしい物は全て処分してから挑みました。笑
転職・引越し後かなり早いペースで復調してるなぁとは思ってましたが、おぉ、再びジャンですか!
私も今回、人生一度と覚悟したジャンでしたが...また行きたくなってます😆
私も次は奥穂から西穂まで繋げてみたいので、レコ楽しみにしてます!
因みに白出沢の下りはtak_tさんのレコ見てやめました笑
振り返ってみると、私も2017ですから、たかしさんと同じ年齢くらいのときに、白出沢〜奥穂〜西穂をワンデイで行っています。
馬の背の下りで足場がみえず、祈りながら足場を探るように置いたり、カタコトと浮石を進んだり。
なんとか西穂高についてから先は、本来上級者向けの岩場なのに、楽々スキップでも進めるんじゃないかというくらいのギャップに驚いた記憶があります。
岩にガッチリしがみつく自分の本性をみたとき、オレまだ生きたいんだな・・と感じましたね。
また行こうといえば行けるとは思いますが、なんだか怖かった記憶だけが高められて、少し躊躇してしまいますね。。
次の挑戦をまた楽しみにしています!!
白出沢〜奥穂〜西穂をワンデイですか!
すごいですね!!
そしてそんな攻めた山行されてたのですねw
危険なとこを敢えて選んで行くような中毒性には気をつけつつも、充実した山行を計画していきます🫡
Mahitoさんもまた一緒に山行きましょうね!!
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