恵みの雨

坂本龍一さんが亡くなってしまって、１０日がたった。ロスはぬぐえない。ちょっとしたことで涙し、ああ、feveはもうおばさんになってしまったのねと思う今日この頃である。

ご活動は陰ながら応援させていただいていたが、残念ながらお目もじしたことはない。

たとえお会いしたとしても緊張してしまって何も言えなかったであろう。

大震災の後に東北に目を向けていただき、東北人のひとりとして感謝に耐えない。何度も足を運んでいただいて勇気づけてもらい、どう感謝の言葉を言えばいいのかもわからない。

でも、feveはfeveなので、ジャズもわからなければ、クラシックも端っこのほうをかじっただけのくせにきっと自分の意見は曲げないと思う。

こんなに福島の人たちが苦しんだというのに、原発には反対ではない。雪かきが終わって疲れ果てて寒い家に帰ったときに、電気のつくありがたさが身に染みてよくわかっているから。

こんなに平和の大切さが叫ばれているというのに、なぜかロシアの人たちを責める気になれないでいる。長い冬のつらさをよく知っているから。権力は甘い蜜でもある。目の前で権力を振りかざされて、おいしい蜜を出されたら、寒い冬のなか、つい手にしてしまう気持ちがわかる。

朝目が覚めて、寒さで凍ったタオルで顔を拭いた記憶のない人たちがどんなに叫んでも、長い冬を過ごさなければいけない東北人の気持ちはわからないだろうなと思う。

一万円札で顔を殴られている気分で明日選挙を迎えるけれど、残念ながらfeveの住む場所で選挙はない。

きっとfeveの感じていることを坂本さんが理解してくれることはないんだろうなと残念ながらおもう。

写真はうちの猫ガブ、もうすぐ一歳。と桜が満開になりました。植物には恵みの雨が降っています。