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2019年10月18日 22:45好きな山全体に公開

手稲山〜私を海から釣り上げた山

連休最終日となった月曜日、3週連続で手稲山に紅葉の様子を見に行ってきました。自宅から近くて、スキー場コースはちょっと行ってサッと帰ってくるには丁度良いお手軽系、ガレ場アドベンチャー系の平和の滝コース、スキー場と合わせればそこそこ長距離系となる北尾根コース、同じくスキー場に続く寄り道系の乙女の滝コース、最近では西野の浄水場から続く新しいコースもできて、多彩なルートが魅力の私がホームとしている山です。一番好きな山は?っと聞かれれば、迷わず手稲山!っと答えます。

山に登り始める前、私の人生は魚釣りに支配されていました。道北の日本海側で育った私は、物心が着いた頃から今は亡き父に連れられて海に通っており、小学校中学年の頃には小遣いやお年玉を貯めて自分の道具を揃え、並み居る大人に混じって一人竿を出していたものです。中学高校では部活に忙しく、この頃には一時離れていましたが、学生の頃に再燃し、社会人となって自分の車を持ったら、もう止まりません。金曜夜に帰宅後は飯もそこそこに出動。現地に着いたらすぐに段取りを済ませて戦闘開始!夜と朝では狙う魚が違うため、頃合いを見ながらエサや仕掛けを交換して万全の態勢で臨むのです。こんな状況は結婚後も続き、日曜は釣りをしないのが暗黙の了解となっていたものの、土曜日が仕事で行けなかったときなどは妻の顔色を窺いながら海に出かける生活。週末未亡人状態です。まあ、そんな私と知りながら結婚してくれた妻には、感謝しかないワケですが。

その後月日は流れ、某市から札幌に転勤が決まりました。さて、どこに住んだら良いのか?決まってます。海の近く!現在住んでいる西区との境界に近い手稲区にアパートを借りて、札幌での生活が始まります。

その当時の主な釣り場は島牧村や積丹半島全域、季節によっては襟裳岬周辺や日高の海岸、果ては道南の上ノ国や江差、道北の浜頓別など、かなりの距離を走っていました。ただ、毎回遠くまで行くことも難しく、最も近くて多く通った釣り場は石狩湾新港。そこからいつも必ず視界に入っていたのが手稲山でした。

海一色の生活に、登山やスキーなど、他のレジャーが入り込む余地など無く、当然、手稲山は未知の領域。でも、そんな海とは真逆の世界と私をつなげたものは何か?

それは写真です。

まだまだフィフムカメラ全盛であった時代から釣り場に一眼レフを持ち込んで、釣った魚や海岸の風景を撮るのが釣り以外では最大といってよい楽しみでした。更に、高いところから見る風景も好きで、車を使うのが当然と思っていた藻岩山の展望台にもよく行っていたものです。必然的に、釣りをしながら暇なタイミングで手稲山を眺め、何気に思っていました。あそこに行けば、この港の全景を写真に撮れるのではないか?

この思いが日に日に増していき、色々調べ始めます。これにより、以前運行していた手稲山ロープウエイは既に休止しており、山頂への到達手段は登山しかないものの、上まで行けば石狩湾の全景が望めることが分かります。そして、人生初の登山で手稲山山頂にアタックしたのが2003年。この時から私の登山歴が始まりました。っといっても、あれは登山といえる代物だったのか。。?

当然、登山靴なんて持っていません。履いていったのはフツーのスニーカー。持参したのは500mlのペットボトル1本とオニギリのみ。タオルすら持っていかず。知らないというのは恐ろしいことです。そして何より衝撃だったのは、坂を登ることの大変さ!釣りでも足場の悪い海岸線を2〜3km歩くことはありましたが、その多くは小さなアップダウンがあるだけで、登山的概念からすれば殆ど平地といえる標高差。そもそも、普段の生活を含めて坂を登ることなんて滅多にありません。そんな人間がハイランドスキー場コースから登り始めたところ、管理道路に到達した時点で既にへろへろ。帽子をかぶっていないアタマから流れ落ちる滝汗が目に入り、まともに前が見えません。登山にタオルが必須だということを初めて知った瞬間です。
Σ( ̄ロ ̄lll

そして、正面に立ちはだかる女子大の急登。絶壁!こんなの、人が登るとこじゃない!(って、目の前に登ってる人がたくさんいますけど?)おどろおどろしい程の場違い感にさいなまれながら、迷わず傾斜の緩い管理道路を選択。でも、100m進んだらもう足が止まって休憩。その繰り返しでようやくゲレンデの最上部に到着した時はスタートから既に2時間以上が経過していました。たった500mlのコーラなんて、とっくに飲み干しています。

でも。。

そこから見えた景色に息をのみました。青空の下に圧倒的なスケールで広がる日本海から石狩平野、札幌の市街地を経て南側に連なる山並み!藻岩山からの景色を見慣れていた身には衝撃的です。これほど見事なロケーションがすぐ近くにあったとは!持って行ったオニギリを食べるのも忘れて、いつまでも見入っていました。

こうして大冒険(?)の末に知った山の楽しさ。まだまだ休日の中心は海でしたが、この日を境に山の比率がじわじわと増していくのであります。

人生って、何がきっかけとなってどっちへ進むのか、本当に分からないものですね。札幌転勤が無ければ、手稲区に住んでいなければ、釣りをしていなければ、写真を撮っていなければ。。どれか一つの要素が欠けても、私は山の魅力を知らないまま死んでいく運命にあったのかもしれません。

機会があれば、またこの続きを書いてみたいと思いますので、お付き合いいただければ嬉しいです。
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コメント

RE: 手稲山〜私を海から釣り上げた山
ayap-jkさん、おはようございます。
私も登山にハマッたきっかけが手稲山だったので思わずコメントしちゃいました(*‘∀‘)
私の場合は引っ越した家のベランダから真正面に手稲山が見え、毎日見ているうちにふと「登ってみようかな」と思ったのです。
その頃は会社で上司と後輩の板挟みになっていて「登ってみたら何かが変わるかな?」と現実逃避もしたかったんだと思います(^_^;)

一人では心細かったので会社の人達と4人で平和の滝コースから登り始め、なんだかんだで3時間以上かかって山頂に着いたと思います。
下山後はそのまま飲みに行き、翌日からはふくらはぎの激しい筋肉痛と戦いました。

ayap-jkさんのように思い返すとなかなか楽しいものですね。
一緒に登った3人は「もう登山は嫌」と言って登ってくれませんが
ヤマレコを始めて一緒に登る仲間も増え、ちゃっかり人生の伴侶も見つけ、人生ほんとうに何が起こるのかわからないと同じく実感しています。
これからの人生もどこでどう変わるのか楽しみですね(^-^)
2019/10/19 8:31
RE: 手稲山〜私を海から釣り上げた山
ikenoyaさん、こんにちは!

そうでしたか、ikenoyaさんも手稲山だったんですね。たまたまベランダから見えていた手稲山に登りたくなる。。分かります、激しく分かります!登山などという未知の領域に踏み込もうなんて考えたのは、港から見えていたのが手稲山だったからだと思うんですよ。他の山なら、そこまで行ったかどうか?あのTVアンテナが何かのオーラを発しているのでしょうか?

天空から下々の世界を見下ろすロケーションは、現実逃避にも最高の場所ですね。私もしょっちゅう逃避してます。
^^

でも、いきなり平和の滝コースとは流石です!私は、スキー場からしか登れないとばかり思っていて、他にもコースがあることすら全く知りませんでした。でも、その奥深さを知るほどに、手稲山が好きになっていきました。

私は色んな偶然が重なって山の魅力を知ったわけですが、ikenoyaさんはそれどころではない最大の出会いがあったのですね!山ってほんとに凄いです。
2019/10/19 15:34
ゲスト
RE: 手稲山〜私を海から釣り上げた山
ayap-jkさん、初めましてこんにちはです!

自分は今は静岡県に住んでおりますが十勝出身の道産子です。

自分も似たような経験で山へと見事に引き寄せられてしまい、近年は毎年300km近く離れた白馬方面へと足を運ぶことになっております(^^;

手稲山からの石狩平野、自分もいつか見てみたいと思います!(^○^)
2019/10/19 10:43
RE: 手稲山〜私を海から釣り上げた山
KaRzUさん、初めまして!

皆さん、色んな理由から山に登り始め、その魅力にはまっていくのですね。私は北海道の山しか知らないので、3000m級の山には憧れます。白馬大雪渓は一度見てみたいものです。

十勝にもたくさん良い山がありますね。帰省の際には登られるのでしょうか。札幌方面へお越しの際は、ぜひ一度手稲山にも寄ってみてください。標高は1000mしかありませんが(^^;、天気が良ければきっと良い景色が見られると思います!
2019/10/19 20:13
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