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世界遺産10周年で2023年の富士登山を煽って「小屋など商売優先にしてお客急増にして甘い汁を吸ったんだから、登山者が急増するのは当たり前だ」商売は狙い通りうまくいった。不思議そうに報道するのはまったく理解ができない」商売ありきなのだから当然の結果だ。
警察や登山者・関係者が指摘する「登山計画・体調管理・装備の不備」など具体的な原因はたくさんあるがそういう事ではない。
富士登山に限らず全国の山岳遭難では事故の直接的原因ばかりを考えるが、それは結果であって起因はそうではない。起因は災害心理学・交通心理学・労災心理学など安全心理学という分野はまだないが「なぜ、そういう行動を起こしてしまうのかという」人間の行動心理学について、この研究が進んでいる3つの分野と同じく山岳界が学ぶことを放置しているからだ。」
「なぜそういう不測の事態・行動を引き起こすのか」この起因を解決しなければ遭難事故は減ることはない、2023年は最高記録を更新する勢いだろう。2025年からは「人口動態の変化」と「経済環境の悪化が進み」やっと減少傾向になるだろう。
「遭難するように遭難する、自宅を出た時から遭難は始まっている、無事に不思議の無事あり、遭難に不思議な遭難なし、過去の体力過去のもの」と先人の残した言葉はたくさんある。
もう8年も前の2015年に長野県山岳総合センター ・長野県山岳遭難防止対策協会がまとめた「高年登山者の傾向と対策」の冒頭文に非常に示唆する文書が残されているので紹介したい。
は じ め に →は筆者。
かつて信州の山々の主人公は青壮年期の「山男たち」でした。
井上靖が描いた連載小説「氷壁」は昭和 30 年代の山男の素顔を描いています。
学生時代も社会人になってからも登山に打ち込み、一流の「登山家」になるための
自己研鑽に努める姿がありました。登山とは心身を鍛え上げ、他者がなし得ていな
い「高み」に達するためのスポーツであったのです。
→昔は「読図や気象の読みが出来ないから、山に行ってはいけないひと」「年齢や体力で行けない人」がいた。
その後も山の世界は主に屈強な「山男たち」によって引き継がれますが、この様
相が変わり始めたのは平成の最初の 10 年間であったと思われます。統計をたどる
と、平成のはじめの頃までは青壮年期の登山者が遭難者の多くを占めていました
が、平成 10 年では 50 歳代以降に移っています。メディアを通じ中高年齢者でも条件が整えば高い山に登れることが紹介され、生涯のうちに「日本百名山」を極めよ
うとする中高年のピークハンターたちが日本中の山岳を目指すようになりました。
このように青壮年期だけでなく生涯を通じて登山を文化として楽しむことが定
着してきたことは、長野県の観光にとってはありがたいことと言って良い反面、遭
難件数は増加の一途をたどり、平成 25 年ではついに 300 件となりました。これは
20 年前の平成 5 年の 3 倍に当たり、その 6 割を 60 歳代以上の高年登山者が占めています。
→現在では300件は変わらないが40-50代の「第二団塊世代に世代交代」している。
高年登山者の遭難が多いのは登山経験の長短にかかわらず、身体機能の衰えを自
覚せず、「今の自分にあった山選び」をしていないことが要因の一つです。
この冊子には統計上に現れた高年登山者の遭難の多さを示すだけでなく、有識者
から投稿をいただき、科学的な視点から高年登山者にとって有益な情報を掲載して
います。また、ご理解を得て実際に遭難を体験した方の手記も掲載しています。
登山関係事業者、登山関係団体の皆様におかれては、高年登山者への指導・助言
に当たり、この冊子に盛り込んだ内容を参考にしていただき、生涯を通じて山を安
全に楽しむ文化が定着することにご協力をいただけるようお願いするものです。
→結論としては
この報告がまとめられた8年前はすでに1000万人いた登山者が減り始めていた年で「山ガールブーム」も下火になりかけていた頃、現在はアウトドアブームだが、たったの440万人しか登山人口は「レジャー白書」ではいないとされる。
登山人口が減っているのに「遭難件数が増えたまま」というのが問題なのであって「起因を解決しなければ減らないだろう」2023年2024年と300人ずつ亡くなれば600人も今生きている登山者がいなくなるというのが壮絶だ。ご冥福をお祈りするばかりだ。
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