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もりには
何一つ無駄がない
植物も 動物も 微生物も
みんな つらなっている
一生懸命生きている
一種の生きものが
森を支配することの
ないように
神の定めた
調和の世界だ
森には
美もあり 愛もある
はげしい闘いもある
だが
ウソがない。
〜〜
「どろ亀さん、最後のはなし―夢はぐくむ富良野の森づくり」を読んだ。
この詩は主人公どろ亀さんこと、高橋 延清さんが書いた。
「林分施業法」の生みの親。
人と動物と木々と、
すべての命が調和し、
存分に命を輝かせ生きられる森作りを、
生涯かけて森に入り研究し伝え続けてきた人。
偉大な功績を残す学者でもあるどろ亀さんが、
老いて2度目の童子となって、
科学で得た多くのことを表現し、
伝えるのに使った手段が詩。
きっと詩がどろ亀さんが最も伝えたい大切なことが、
のせられる科学よりも講演よりも、
適した手段だったのでしょう。
今の僕にあった「森の本」を探しに、
図書館に行ったらこの本に出会いました。
前半は、晩年のどろ亀さんの言葉。
中間は林分施業法の解説。
後半は、どろ亀さんの仲間の追悼の言葉。
3部からなる構成。
僕が最も感銘を受けたのは、
どろ亀さんの研究は本から入らないこと。
まず森に入って感じる。見る。観察する。
そして、
驚く。美しいと感嘆する。不思議だと思う。
それから、
本で研究する。疑う。
その後、実験する。みんなで協力して考える。
どんどん脳化が進む社会で、
今、一番必要な問題解決のアプローチなのではないでしょうか。
北海道にいるうちに、
どろ亀さんが作った富良野の森に必ず行こう。
そして、もっともっとフィールドに出て、
全身全霊をかけて森から何かを感じ取ろう。
そう強く思わせてくれた本でした。
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