「槍ヶ岳 開山」新田次郎を読んだよ。

百姓一揆の混乱の中で、
最愛の妻「おはま」を誤って殺してしまった岩松。

罪を逃れるため念仏修行僧となり、諸国を放浪する。

厳しい戒律を厳格に守り、
岩窟に閉じこもり念仏を唱え、
険しい山に登り念仏を唱えるうちに、
やがて民は彼を「播隆上人」と崇めるようになった。

民に請われるままに
笠ケ岳を開山し、槍ヶ岳を開山する
播隆上人の半生を描いた歴史山岳小説。



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新田次郎さんの歴史山岳小説を読むたびに、
今の山の装備がとても贅沢なものに感じられてなりません。

装備に恵まているせいで、
智恵と体力を必要としなくなっているし、

山道も開山され整備された山道を歩いているせいで、
どうしてもあの山頂を目指すんだ。
そのためのルートを切り開くんだ。
そのために情報を集める。何度もトライする。

そんな楽しみ方ができにくくなってきているように思います。

ま、そんな偉そうなことが言えるほど、
僕、山に登ってないんですけどね。

とはいえ、幾つになっても
その時の自分の智恵・体力の限界に挑む登山
ってのは忘れたくないなぁと思うのでした。