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深田氏が晩年に多くの媒体に書いた文章を集めた本。
・愉しき山行
この章では、北は帳尻岳から南は阿蘇山まで、
全国の山友と旧交を温めながら、山登りを楽しむ、
深田さんの人懐こさと、気取らない等身大の山への愛情を感じられます。
・山によせて
この章は日本の山岳史を知るにあたって大変勉強になります。
特に「北アルプス登山史」では、西暦702年まで遡り、
北アルプスの山々と人がどう関わってきたのか史実を語ってくれます。
ただ山に登るだけではなく、
民俗への興味も含めて山に登る楽しさを教えてくれます。
・憶い出の人
ここでは田部重治(たなべじゅうじ)。
深田さん同様、足と筆で山の世界を引っ張ってきた
田部さんへの思いが語られています。
・山の本と映画
ここでは深田さんが影響を受けた山の映画と本を評価。
深田さんと各書の関係が伺えます。
・雑嚢
深田さんの山のエッセイ集です。
山に対する考え方に正解はないと思いますが、
山の先輩として大変参考になる文章でした。
この本を読んで僕が思いを強くしたのは、
山はただの物体、スポーツ、行為ではなく、文化であるということ。
登山の流行りは昔は田部さん、深田さん、新田さんの文学。
もっと昔は、宗教と生活。
今は音楽フェスと漫画に引っ張られてきたように思います。
山から感じる何か、山に登る人の生き様から感じる何か。
それに魅かれて、皆、山を登り続けてしまうのでしょうね。
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