私は「遭難評論家」ではないのでよく分からないのですが、遭難する人に高齢者が多くを占めているのは事実ではないでしょうか。
警察庁が昨年9月に発表した「令和5年夏期における山岳遭難の概況」によると、2023年夏期の日本全国の遭難者809人のうち、60歳代が181人(22.4%)と最も多く、次いで70歳代が165人(20.4%)、50歳代は152人(18.8%)でした。
日本では65歳以上が高齢者と定義されています。
どう見ても中高年が遭難の圧倒的なボリュームゾーンですよね。
で、高齢者の遭難が多いという事実を認めたくない人が、今度は「遭難者に『山菜採り』や『釣り』が入っているから高齢者が多く見えるんだ。マスコミの陰謀だ」という珍説を言い出しました。
へえ、そうなのかと思って遭難者数を目的別で見てみると、「登山」が699人(構成比86.4%)と最も多いのに対し、「山菜・茸採り」は11人(同1.4%)、「渓流釣り」は8人(同1.0%)。
これ、山菜採りと釣りを除いても大勢に影響を与える数字ではありませんねえ。
私ももう10年もすれば高齢者ですので、「高齢者の登山は危険」と言われると正直、心穏やかでない気持ちもあります。
しかし事実は事実として認めないとダメだと思います。なんといっても命に関わることですので。
というか、50歳代でもすでに十分リスクが高いと思います。ピークと比べて明らかに体力が落ちていますから。決して慢心してはいけないと思っています。
コタツ評論などなんの意味もありません。
遭難評論家になるより、各人が自分自身の心配をした方がいいです。
参考資料:
令和5年夏期における山岳遭難の概況(警察庁生活安全局生活安全企画課)
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/r5_kaki_sangakusounan.pdf
貴重な資料をありがとうございます。リンク先の警察庁サイトをちらりと拝見しました。たまに確認しておくのも有意義だと思いました(7-8月の2ヶ月分のみの集計であることに留意は必要ですね)。
長々と書いてしまいますが、このデータが正しいとすると、
①山菜採りや釣り目的はわずか。観光なども入れると13%あるが統計全体を歪める比率とは思えない。(ただ、山登り以外目的の遭難者数だけでなく、死者、負傷者数が分かるとより実態を把握できそう)
②遭難者数の推移はコロナ前2019年比で2023年は21%増。うち重大事案(死者・行方不明者)は同12%増なので、遭難が増えているのは確か(2019年と比べるのが正しいのか分からない。2023年夏が特別登山者が多い理由があったのかもしれない。また、それ以前のデータとの比較もしないと確信はできないですが)
③無事救出者(怪我もない模様)は同39%増。救出依頼の心理的ハードルが下がっている可能性はある(いわゆるタクシー代わりなど揶揄されるものか)
④遭難者数のうち無事救出者数の比率は2023年で49%。避難者数自体に差があるものの、都道府県別では、静岡、三重、奈良、愛媛、長崎、大分が7-9割程度と高い(地域差にはなんらかの理由がありそう)
⑤原因別で、道迷い原因が2割。通年集計とはいえ4割とも言われていたひところに比べて減少しているようにみえる。原因のうち6割分しか紹介されていない。夏季だけの集計という季節要因の有無も分からないので確からしさは何とも言えない(きちんと分析できれば、ヤマレコなどのGPS効果があった可能性はある。ただ、道迷いが減ったとしても、遭難全体は増えているので、現在地把握能力以外の部分で、実力以上の登山が増えている可能性もある?)
あたりが興味深かったです。
また、高齢者の遭難については、50歳以上が6割を占める。60歳以上で4割強。多いのは事実ですね(遭難者だけでなく分母である登山者の年代別比率が分かると、高齢者が遭難しやすいのかどうかが分かりそう。分母をしりたいところ)
と、自分なりに理解しました。
いずれにしても、なかなか興味を持たないデータでしたので、学びになりました^_^
この資料からこれだけ分析できるとはすごいです。私も気が付かないことがありました。
おっしゃる通りこれは夏山の限られた期間の統計なので、冬山雪山はまた違った傾向があるかもしれません。
いえいえ、参考になり得るデータをありがとうございます。
とはいえ、データはデータとして、安全で楽しい山歩きを心がけていきたいと思います。
スマホでつらつらと書き殴った長文で、日記を汚してしまい失礼しました。
みなさん!○害みたいな人が居るのは事実ですが、真っ当な人の方が多いので、そこんとこヨロシク!です。
私も尊敬される老人になりたいと願っております。
高齢者が多いか否か、については良く分かりませんが、リンクの遭難データは夏季(7〜8月)の2か月間のデータなので、山菜取りは殆どいない時期です。実感と比べてどうも数字が少ないな・・・と思ってリンク先を確認しました。
春先と秋に山菜・キノコの遭難が増えるので、夏季の集計であれば無視しても良さそうですが年間にするとそこそこ影響が出るように思います。渓流釣りの季節性は良く分かりませんが、真夏はピークではなさそうな・・・
自身ももうすぐ高齢者、かつ夏山だけでなく山菜・キノコで入山することもあるので気を付けいたいと思います。
なるほど、山菜採りや釣りは通年で見ないと正確なところは分からないですね。
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