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労山基金は労山が遭難対策事業の一環として設定している会員のための互助制度です。会員が遭難事故対策のためにお金を出し合って「基金」をつくり、事故を起こした会員の救助・捜索や入通院にかかった費用などが、基金に登録した口数に応じて交付されます。
(写真またはこちらをご参照→https://www.jwaf.jp/topics/fund#fund_about)
山岳遭難のための保険は結構ややこしくて使いにくかったり高額だったりしますが、労山基金は廉価ですし、通院費や入院費も対象で、なかなかいい制度だと思っています。
私は岩・雪・沢はやりませんので、今年も3口です。
ところで、労山公式サイトで労山基金の説明を読んでいて、気になるところを見つけました。
Q&Aの「トレイルランニングは労山基金の対象ですか?」との問いに対し、「トレイルランの競技大会に参加する場合は、登山とは違うジャンルだと線引きしていますので、ゲレンデスキー、ケービング、マウンテンバイク、パラグライダー、ウォーキング(個人企画)などとともに、交付の対象から除外しています」とあります。
「但し、競技ではない形で、会の山行管理の手続きに沿ってトレイルランを楽しむ場合には交付対象として救済しています」とも書いてあります(写真をご参照)。
要するに、トレラン大会での事故は交付対象ではないけど大会でなければ救済するよ、ってことですね。
私が違和感を覚えたのは、労山が「トレラン大会は登山とは違うジャンル」と言い切っていることです。
マウンテンバイクやパラグライダーはさておき、二本の脚(所によっては両腕も)を使い、ナビゲーションしながら山で行動するという点で、トレランも登山に変わりはありません。
これは大会であろうが個人山行であろうが同じです。
労山は「大会は大会主催者の管理下である」という管轄論で線引きをしているのかもしれませんが、釈然としません。
一方で、労山基金は人工壁での事故は交付の対象にしています。
人工壁は街中にもあるので、クライミングをやらない私としては「山にも行かないのに対象なの?」と思ってしまいます。
ここからは私の感想ですが、労山というところは古典的な登攀は登山と認めるけど、トレイルランは認めない。認めないは言い過ぎでも、少なくとも重視はしていないということです。
ハセツネCUPは都岳連の主催で始まりましたが、労山が主催する山岳マラソン大会は聞いたことがありません。
大阪岳連主催の春のダイトレにはトレランの部がありますが、大阪労山主催の秋のダイトレにはありません。
兵庫労山主催の春の六甲全山縦走大会に至っては「トレラン禁止」です。
いま、労山だけでなく山岳会はどこも衰退の傾向です。若い新しい人が入ってこないため高齢化の一途だからです。
一方で、ロードでのランニングを趣味にしている人たちが山(トレイル)に進出してきています。これはコロナ禍を経て顕著な傾向です。彼ら彼女らの大半は山岳会とは無縁な人たちです。
正直なところ私にとって労山に入っているメリットは労山基金が使えることくらいしかありません。
私はハイキングもしますので山岳会をやめることはありませんが、労山がトレランに冷たいのであれば、この先労山に無理に留まることもないでしょう。
参加者の数や渋滞がたびたび発生するコース状況を考えれば当然だと思います。
全山縦走路を走るトレラン大会も別にあるので、住み分けができているのは良いことじゃないでしょうか。
ただ、春のダイトレのようにランの部と歩きの部を分ければ同時開催は不可能ではないので、要は主催者のやる気の問題だと思います。六甲に関しては神戸市も労山もランとしてはやる気はないのだと思います。
それはそれで主催者としての考え方だと思いますので異を唱えるものではありませんが、労山傘下の会員としては寂しい感じがします。
一般的な生命保険は入れない条件ってありますよね、既に特定の病気であるとか。生命保険に入って数万円しか掛け金払ってないのに手術みたいな人が多ければ生命保険会社の取り分なくなっちゃいますから、最初から入れないようになってるのと同じなのかと。歩いてても事故が起こる山をトレランは走るわけですからリスクは大きく、安い掛け金で支払いばかり多いことが予測されるので、労山の基金については冷たいとか冷たくないとかじゃないんだろうなって思います。基金だから通常の生命保険とは違い補償内容が良い分、単純に破綻するのかも。
一般の保険は危険度に応じて掛け金が変わったり、場合によっては加入できなかったりします。
クライミングはハイキングに比べてハイリスクだと思いますが、労山基金はクライミングも雪山も、場合によっては海外登山も同じ条件で入れます(ただし、かける口数は危険度に応じて増やす必要がありますが)。
クライミングが対象なのに、トレランの大会はなぜ対象外なのかというのが私には疑問なのです。
なお、トレランでも大会でなければ労山基金の対象です。
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