5月2日の夜、車で走り、竹宇駒ケ岳神社に23:30に着いた。防寒衣を着込み車の中で寝るが、朝方4時頃から寒くて足の先が痛み眠れない。朝食後、駒ケ岳神社に参拝し、晴れた新緑の中を出発。しばらく山に登っていないので最初の1ピッチは息が苦しい。2ピッチ目で足が重くなる。4ピッチ目でどうにか従来のリズムに戻る。
急登で評判の黒戸尾根であるが、それほどのこともなく五合目小屋に着く。ここで昼食のラーメンを作ろうとすると、コンロの調子が悪くコッフェルがススだらけになってしまう。五合目から上は雪が残り、ハシゴの連続で、評判の急登が始まる。7合目には2棟の小屋が建っているが、北アルプスの豪華な小屋に比べると貧弱である。しかし私にはむしろ好ましく感じた。時間は早いので頂上まで往復してくることも考えたが、久しぶりの山なので無理をせず、小屋の前で鳳凰三山を眺めながら暖かい陽を浴びて昼寝をする。
小屋は私を含めて4人の宿泊者がいた。夕食の準備に取り掛かり、飯は炊いたもののレトルトカレーを温めようとしたらコンロの火力調整バルブが調子悪く、火が消えてしまった。仕方なく冷たいカレーをかけて食べる。翌朝、コンロが使用できないため非常食のカンパンを寒さに震えながら無理やり水で流し込む。せめて熱いコーヒーでもあれば食も進み、喉を通るであろうが、冷たい水では多くは食べられなかった。
雲が厚い中を出発。いきなりアイスバーンになった雪の急登であるがトレースが着いているので問題なく頂上へ到着。曇ってはいたが北岳、仙丈岳が大きく目の前にそびえる。中央アルプス、八ヶ岳、秩父連山も見え、展望は曇りなりに楽しむことができた。
そのうちに雪が舞い始めてきたので下山開始。下りはさすがに怖いのでアイゼンを着けて、快適に7合目小屋まで下る。ここから笹の平まで長く感じ、カンパンだけの腹が持たず、笹の平の水場で水と一緒にまたカンパンを頬張る。
駒ケ岳神社に13:10に着き、無事下山を感謝し車を出す。少し前まで雪が舞う寒さの中、自然と対峙していたのに数時間後、文明の利器の車を運転している自分に自然の世界との違和感を思い、恐れを抱いた。
今回は事前にコンロの様子を調べて行かなかったため、途中で使用できなくなり苦労したが、これに懲りて以後の山行では必ずコンロの調子を確認してから登るようにしている。
2回目の駒ケ岳は北沢峠から往復した。北沢峠までマイクロバスで行けるようになり、苦労して急登の黒戸尾根を登らなくても楽に頂上に辿り着くことができた。自然の素晴しさ、荘厳さを味わうことを目的として山に登りながら、それと相反する文明の利器を可能な限り利用して山に入ることに矛盾を感じながらも、時間に追われるこの忙しい時代ではやむを得ないと自分を納得させている。
写真:間ノ岳からのガスの切れ間の甲斐駒ケ岳
初めてのアルプスが10月の黒戸尾根からの甲斐駒/仙丈でした。
まだ、北沢に林道が通じる前でした。
北岳と赤岳の違いさえ知らなかった新人でしたが、ガイドブックを
手にして登りました。
自然も含め、黒戸に心酔する登山者は多いですね。
nba01323さん、コメントありがとう御座います。
黒戸尾根を日帰りする強者の記録も多く見受けられ、甲斐駒ケ岳は黒戸尾根から登らなければ意味がないと考えている人も多いようですネ。私は拘りませんが・・・。
ところでnba01323さんは駿東郡ですか。私は勤務の関係で10年近く清水町で過ごしました。その時は沼津アルプスは知らずに登りませんでしたが、今年、歩いてみて、もっと早く歩くべきだったと思いました。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する