天気も晴れていて、紅葉の中をドライブして見返峠の駐車場に停車する。東北地方の紅葉は飯豊連峰以来で、静岡地区に比べると色鮮やかで、その素晴しさにあらためて感動した。駐車場からは15時も過ぎていて時間が無いので、ただ1613mの八幡平の櫓のある最高点まで往復して戻った。
安代町から見た八幡平は大きな山並みであるが、最高点のある辺りは山と言うよりも高原台地状で、山に登ったという感覚は無い。
次に訪れたのは29年後の夏であった。連れ合いと、まるで入浴剤を入れたようなエメラルドグリーンの湯で有名な国見温泉に泊まり、次の日、斜面一面に咲くコマクサや、チングルマ、イワカガミが大群落で咲き誇っている秋田駒ケ岳を登り、その日は乳頭温泉の鶴の湯に泊まった。鶴の湯は今の若い女性に大人気の宿で、テレビはもちろん無いランプの宿のうえ、江戸時代に戻った雰囲気のあるたたずいで人気があるのもうなずけた。
翌日、連れ合いが八幡平に行ったことが無かったので足を延ばすことにした。やはり見返峠の駐車場まで車で行く。駐車場正面に岩手山が大きく見え、意外と近い距離にあるのに驚く。この前年に歩いた姫神山や森吉山、白神山などの東北の山々を見渡すこともできた。
鏡沼、めがね沼を通って最高点に行く。周りの地面は雪が消えていたが、途中の沼に雪の大きなブロックが浮かんでいて、最初に沼の雪が溶けてから地面の雪が消えるものと考えていた私には不思議な感じがした。
ガマ沼、八幡沼を1週する。ちょうど花盛りで私の知っている花だけでもミヤマキンバイ、ヒナザクラ、クルマユリ、イワカガミ、コバイケソウ、ニッコウキスゲ、ワタスゲ、イワイチョウ、ムシトリスミレ、ハクサンチドリ、ミヤマカラマツ、モウセンゴケ、ミヤマアキノキリンソウ、ウラジロナナァマドなどが咲いており、その他名前の知らない花も多く咲いていた。東北の山は数多くの高山植物が一斉に咲き乱れるので、最近、花が好きになった私には夏の東 北の山に登ることは至福のひとときである。
山頂近くの駐車場から最高点付近を散策しただけでは八幡平を登ったことにはならないかもしれないが、秋の紅葉および夏の高山植物の花を楽しむことができ、八幡平の良さの1部は堪能できたものと思っている。
写真:八幡平最高点標識
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