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翌朝、曇りであるが青空も僅かに見える。しばらくラッセルしていると途中からトレースがあり、楽になる。先行パーティはテント泊だったようで荷物も重く、2ピッチで追いついてしまった。そこから先は私がまた先頭になり、深いところで膝あたりまで潜りながらラッセルをする。
西駒山荘付近から馬の背の尾根は風当たりが強く、雪の表面もクラフトしているのでアイゼンを装着する。前日の雪で5月の山と言うより3月の山の様相である。木曾駒ケ岳はロープウエーを利用して千畳敷から入る人は多いが、西駒山荘方面からの登山者は少なく、トレースも無いので注意してルートを見きわめながら歩く。
駒ケ岳頂上までくれば宝剣岳方面はしっかりと踏み固められていて安心して歩くことができた。宿泊した宝剣山荘は大きな山小屋であるがスキー客でいっぱいであった。
翌朝、岩場に凍りついた雪が張り付いている宝剣岳を往復する。時間に余裕があり、ロープウエーで下山するのもつまらないので一丁ケ池―蛇腹沢コースで下りることにした。このコースはトレースはあるが一人も入っておらず静かで、天気も良く小屋場付近では日光浴をしながら昼寝を楽しむ。蛇腹沢を下っていると熊の冬眠跡のような穴を発見し、怖くなり一目散に下った。
次に訪れたのは6年後の5月。会社のハイキング同好会のメンバーと私の二人の娘(12歳、14歳)を連れてロープウエーで千畳敷に上がり、宝剣山荘で1泊して木曾駒ケ岳を往復した。雪遊び気分で子供達も駒ケ岳まで登ったが、頂上では少し吹雪状態となり自然の怖さを、そして千畳敷では晴天になり雪山の楽しさと美しさを学んだようである。
上の娘が20歳の秋には二人で三ノ沢岳―宝剣岳―木曽駒ケ岳―将棊頭山と静かな山を歩いた。その後も成人した娘と二人で山を数回、歩いたけれど、連れ合いとの山旅とは違った感慨、喜びがある。
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