根子岳・四阿山から下りてきて、すぐにまた車で草津白根山に向かう。白根山の弓池駐車場に着いたのは15時であった。一休みして霧雨で濃いガスの中を草津白根山の最高峰である本白根山に向かう。しばらく林道を歩き、やがて登山道になる。
何も見えないガスの中を歩きながら自分が嫌になる。「今の自分は百名山のピークハンティングだけのために登っている。百名山を全部登ったという自己顕示欲を満足させるだけの山登りではないか?他に登りたい山がまだ多く残っているのに、百名山というだけで観光地化された白根山を歩いている。お前の山登りは何だったのか? 好きな山をいろいろ登ってきた中で、たまたまその山が百名山に入っていただけではなかったのか?百名山というだけでこの悪天候を、時間も遅いのに登ろうとしている。草津白根山は本当にお前が登りたい山なのか? お前の山登りは百名山が目的ではないだろう。」などと自問自答しながら自己嫌悪に陥りつつも、誰も居ない本白根山の頂上に着く。
どんな山でも何も見えなくても頂上に立てばうれしく、それなりに納得してしまう。ガスで閉ざされた中、「硫化水素に注意」の看板が何か寂しく立って入る。(その後、硫化水素の噴出が激しくなり、危険なため頂上付近は立ち入り禁止になっているようであるが、このときは規制が無くて頂上まで登る事ができた。)
三角点を探すが、山頂標識の周りにはなく、少しブッシュかき分けた所にあった。帰りは鏡池を回るが池は枯れていて、余計にむなしさを感じてしまった。
弓池駐車場に戻り、一般的には草津白根山を指す湯釜展望台先の白根山に登ろうと進むが途中で囲いがしてあり、火山活動が盛んなため立入禁止になっていた。せめて人気の湯釡の池を見たいとも思ったが、天気の悪い中、立入山禁止の規制を破ってまで登っても絵葉書のような展望は見えないことは明らかであり、それ以上進む気がしなくなり17:18分に駐車場に戻る。
弓池の駐車場は私の車だけであったがまだ観光客の車が時々、駐車しては弓池を見学して去っていく。車中泊の予定できたが、観光地の駐車場で夕飯の支度をすると見せ物になるような感じがしてその気になれなかった。先ほど登ってきた本白根山の林道終点近くの登山口に駐車できそうなスペースが有ったことを思い出し、そこなら静かな夜を過ごせるだろうと車を移動する。
天気が良く満点の星を見ながらならば一人の食事も楽しいが、車外では濡れてしまうような濃いガスの暗い林道脇で傘をさしながら飯を炊き、酒を飲んでいるとわびしくなる。さっさと食事を済ませて車に入り寝袋に潜り込んで寝ることにする。狭い車中ではあるが、それでも酒の勢いを借りて寝入ってしまった。
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私と百名山 69.草津白根山(2162m) (1991年9月21日)
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