二合目まで来るとあまり山慣れていない様子の中高年の男性単独行者が休んでいて、バナナを持ってきたが重くて仕方ないので食べてくれと房を差し出された。私も山にはバテておにぎりやパンが喉を通らないようなときのために梨、リンゴ等の果物を持って登ることはあるが、バナナはない。バナナはすぐに吸収されて即、エネルギーになるために山向きと言う人も多い。そこで大きな1本を頂いたが、喉の渇いている口には通りづらく飲み込むのに苦労した。バナナは山の行動食としては私には不適だと感じた。
八合目までは体調が悪いなりに一応、コースタイムで到着。避難小屋前で休憩して不動平から頂上に向かうが猛烈な風が吹いていた。風の息を読みながら這いつくばってなんとか頂上にたどり着く。お鉢を1周する途中、コマクサが多く咲いていたが北アルプスのコマクサに比べると小ぶりである。風に揺れてシャッターチャンスが難しかったが数枚の写真を撮って下山開始。
不動平まで下ったら風も弱くなっていた。来た道を余裕も出来たのでヤマオダマキ、ハクサンチドリ、オニシモツケ、ミヤマトウキ、ウスユキソウ、ヤマハハコ、オンタデ、ヨツバシオガマなどの花を楽しみながら馬返しに戻った。
私は岩手山にはこの時、1度登っただけであるが、この時は岩手山の全貌を見ていない。「木を見て森を見ず」で登山道の様子や頂上の風景は覚えているのだがアプローチの途中で山全体を見ておらず、同じ道を往復しただけなので岩手山の概念がつかめていなかった。しかし、その後の姫神山、秋田駒ケ岳、八幡平、森吉山等の東北の山々に登るときに東北自動車道やアプローチの道、山頂から岩手山を見て全体の形が把握でき、なんと大きくドッシリとした山なんだろうと思った。
5月の和賀岳に登ったとき、赤布もほとんど無く、入山者は私だけでトレースも無い残雪のため、途中でルートを見失い断念して泣く泣く下山。意気消沈して高下部落から盛岡に向かう県道1号線から見た岩手山は特別に見事であった。南部片富士と呼ばれているように東側は田の上に富士山のごとくすっくと立ち上がり、頂上からは雪の張り付いた稜線が西に延び、その山並みは秋田駒ケ岳で終わっていた。ゆっくりと眺めたくなり、車の通らない農道に停車してしばらく見ほれていたほどである。もう和賀岳の山頂を踏めなかった悔しさは消えていた。
写真:岩手山山頂
名峰か何かのTVで見た岩手山の山容はすんごく良い感じでした。。
東北地方もなかなか行けなかったです。
夏休みはアルプスに行きたいので、
GWあたりですとまだ残雪でしょうけど、そろそろ覚悟決めてみます
naiさん、今晩は。
そうですよネ。静岡からは北海道より東北の方がアプローチが大変ですよネ。
私は福島県郡山市に単身赴任で計10年居ましたから東北の山を百名山以外も楽しむことができましたが。
私もそうでしたが先ずは北ア、中央ア、南アを優先して登るのが一般的だと思いますよ。
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