登山やクライミングをやっていると、道具が増えてくる。
使ってみたものの、サイズが合わなかったり、目的や好みに合わなかったりで、押入れに入れっぱなしなんて経験は、誰しもがあるだろう。
特に、我が家は登山からクライミングに転向したこともあり、帽子はヘルメットに、補助ロープは、クライミングロープに、ピッケルは、アイスアックスに代わり一部の登山用の装備を使わなくなってしまったのだ。
まだまだ、使えるものばかりだが、いつ使うかもわからない。ウェアやロープなどは、使わなくても経年劣化するので、いつか捨てざるを得なくなってしまう。
だったら、誰かが使ってくれ、お金になることが望ましい。
『リサイクルできないかな?』
と、調べたところ、隣町に登山用品専門のリサイクルショップがあったので、査定に出す事にした。
まずは試しに縦走用のピッケルを売ってみることにした。バリエーション向けのモノに切り替えたので、使わなくなってしまったのだ。
元値は10,000円ほどだったので、これはそれなりの金額になることが期待できる。
『5,000円くらいで売れるといいなあ』
♪( ´Д`)ノ
だがしかし・・・・
買取価格は1,000円
((((;゚Д゚)))))))
現実はそんなに甘くはなかった。
後で調べると、6,000円で売り出されていたので、店の運営などを考慮すればそんなものなのかもしれない。
しかし、粗大ゴミとして出すより遥かにマシ。少額ながらもお金に変わり、そして誰かが使ってくれるのだ。
しかも、
『ちょっとしたお礼です』
と、地方のコーヒー豆をくれたので、あまり悪い気もしなかった。
それを見た相棒が、
『わたしも使ってない道具を売る』
と言い出した。
しかしそれは、私が誕生日プレゼントした、ほぼ新品のクライミングシューズだったのである!
((((;゚Д゚)))))))
本人が合わせたにも関わらず、登ってみたらカカトが合わなくて押し入れで眠っていたのだ。仕方ないといえば仕方ないけど。
クライミングシューズは、ピッケルより高額だし、状態も綺麗だったので高く売れそうだ。
しかし、査定の結果、売値は
1,000円であった・・・・。
(´・ω・`)
■ 登山用品を売って大儲けの話
今回の結果から、リサイクルショップに出すと、元値の1割くらいの値段で買い取られ、半額くらいで売られる事が分かった。
裏を返せば、自分で売れば、元値の半額分が得られる可能性がある。
自分で売るとなると、フリマを利用するのが良さそうだが、なんとなくハードルを感じた。
しかし、会社の後輩でメルカリをやっている子がいたので、様子を聞くと簡単に出品できると言う。
しかも手数料10%と送料がかかるだけであとは自分の取り分としてがっぽり貰える。これなら大儲け、大金持ちではないか!
『そうだ!メルカリで高く売るのだ!』
(((o(*゚▽゚*)o)))♡
と言うことでメルカリにチャレンジすることにした。
メルカリでは、実にさまざまなものが売られているが、アウトドア用品も充実しており、ウェアやザック、靴やクライミングギアなど一通り揃っている。
中にはメルカリで安い品を購入し、高値で転売する『テンバイヤー』なる不届きものもいるので、油断は禁物だ。フリマと言うとスマートだが、闇市みたいな側面もある。
手始めにサイズが合わなかったクライミングシューズを売ってみることにした。ジムで3回しか履いていない良品である。まずはアピールポイントや価格を検討するため、購入者像を推察した。
おそらくターゲットは、新品を少しでも安く買いたい人になるが、信頼できるか分からない闇市での高い買い物はリスクを感じるに違いない。
まず第一に、信頼できる出品であると思ってもらう事が大切であろう。
そこで
『3回しかジムで履いてません』
と言う事実を書きつつ、シューズ写真を全方位的に極めて丁寧に撮り、詳細なエビデンス情報を記載する。
また
『靴下で履いていました』
と、クサくないアピールも欠かさない。
みんな匂いを気にするせいか、クライミングシューズ出品における常套句となっているようだった。
さて、次はいよいよ値付けだ。
定価は20,000円だったが、セールで17,000円くらいで購入している。
一般的な価格設定としては
新品・未使用・・・・元値の7割
少し使ったもの・・・元値の半額
ある程度使ったもの・元値の3割
実際相場を見ていても、そんな感じだ。
少し使ったので、販売価格は
『8,000円〜10,000円くらいが妥当か?』
しかし、新品に近いのに半額とはこれいかに。メルカリ側は、売りやすい金額でサッサと売らせてマージンをとろうとしているようにも見える。
初心者とは言え、こちらは心理学やサービスデザイン、行動経済学※の専門家。
※心理学で人間の気持ちや行動を変容させる手法
『調子こかせてもらうぜ!』
( ̄∇ ̄)−☆
と、買値と変わらない、17,000円で売ることにした。
売れれば、手数料10%の1,700円、ヤマト便60サイズの送料600円差し引いて15,000円程度の利益になる。
もちろん、割引で買ったことは伏せ、
『一般小売価格は20,000円です』
と記載するのはお約束だ。
『ぬははは!これで大儲けなのだ!』
(((o(*゚▽゚*)o)))
しかし・・・
なかなか売れない・・・。
( ;´Д`)
やはり高すぎたか?
いやしかし、ここで焦って、大幅に金額を下げるような愚かな真似をしてはならない。ここはプロとして、冷静に買い手の心理を深堀り、作戦を立てることにした。
クライミングシューズの足合わせはシビアで購入のリスクが高い。
購入者像は、自分の足型や靴の相性を熟知し、足型が合って、その靴を欲しい人。もしくはそういうことを知らない素人。そして、そんな人はマレでなかなか現れないはず。
そこで、参考情報として自分の足のサイズや足型。自分の足に合う他のシューズの情報を付け加えることにした。
また、アプリの商品リストは新しく出品した順であり、時間が経つほど後の方に流されるが、最低100円値下げすると、再度リストの先頭に戻って来る。
もう一つの作戦として、100円ずつジワジワと値下げし、適度にリストの上位に戻して人目につかせ、シンデレラフィットするお客様が現れるのを待つことにした。
そして待つこと1ヶ月半、作戦が功を奏したのかは不明だが、ついに購入してくれる人が現れた!
販売金額は15500円。
多少値下がりはしたが、7割は取り返せたし、及第点であろう。
『メルカリすげー!!!』
・:*+.\(( °ω° ))/.:+
すっかり味を占めた私は、家の中を探しまくり、次々と不用品を売っていった。
・化繊ベースレイヤー
4年着たモノ 3,000〜4,000円
10回着たモノ6,000〜7,000円
・2-3回使った、自動ブレーキ付き、ビレイデバイス。
12,000円
・3回ほど使ったが、小さくてあまり使わなかったチタンクッカー
4,000円
・3年ほど使い込んだ、化繊アクティブインサレーション
16,000円
・クライミングを始めて、使わなくなった、一回しか使ってない補助ロープ
7,000円
・etc…
iPhoneに付いているが使わないコード式イヤホンなどは1,500円ほどで売れるので、何本が売り、使ってない昔中古で買ったデジタル一眼レフカメラやレンズも売った。
故障したモノも売れる。壊れたレンズなども、修理して再販する人や部品取りする人もいるらしく、ジャンクとしてそこそこの高値で売れたし、片耳が壊れたワイヤレスイヤホンも、
使える片耳は2,600円
壊れた片耳は800円
充電ケースを3,600円
とバラで売れた。
同じく一部の部品が壊れて困っている人に売れるのである。
また、メルカリ文化として値下げ交渉が激しいので、はじめは全部断っていたが、事前に金額を1割ほど上乗せしておくことで、交渉に応じ、商機を逃さないようになった。
しかし、世の中さまざまなニーズがあるものである。
知恵と工夫でさまざまな商売ができるものと知り、非常に勉強になった。
さてメルカリを始めて1年経ったので、決算報告である。
売れた品数は70品ほど
手数料と送料を差し引いて、その売り上げは・・・
30万円!
『ぬははははは!大金持ちなのだ!』
(((o(*゚▽゚*)o)))♡
まだ使えるのに捨てるかもしれなかったものが、結構な金額になるものである。登山用品だけでないが、家にそんな価値のあるものが眠っているなど、思っても見なかった。
(それだけ無駄もあると言う事だけど)
自分のポリシーとして、いいものを選び、長く使うという考えで買い物していたが、価値観が少し変わった。
個人で色々な事ができる仕組みへ変容していく世の中、モノを捨てるより、循環させる方がサスティナブルなのではないか?新時代の環境のあり方、SDGsなのかも。
ただ、振り返ってみると、この一年でクライミングシューズを7足も買っていたような気もする・・・・・・。
((((; ̄Д ̄))))))
いや、それは考えないことにしよう。
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