普段調理をする身からすると馴染みないが、保温コジー(保温ケース)にフリーズドライ食品や乾物を入れて高温状態を維持して擬似的に煮込む、火を使わない加熱調理法である。
保温コジーは、暖かいご飯を食べるための贅沢装備と思っていたが、ULの世界では、燃料を節約するための、アルコールストーブとセットで考えられている合理的なメソッドだ。
『これは使えるかもしれない!』
最近はボルダリングやクライミングに行くことが、そのゲレンデは火器厳禁の場所が多く、調理は諦めていた。地主との摩擦が起こり、登攀禁止になるケースもあるので、かなりシビアなのである。
しかし、ふくろメシであればテルモスを使って調理できるので、料理の幅が広がる。また、テント泊の朝ごはんの時に、今は安全のため他の作業を止めているが、同時進行することもできる。
試しに保温コジーを作成し、実験してみることにしたのだ。
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保温コジーの材料は『アストロフォイル』と『ダクトテープ』とシンプルだ。
アストロフォイルというのは宇宙服、航空機での遮熱&放射能遮断のために研究されたアルミと空気層による遮熱理論を住宅用建材に応用した遮熱シートのことである。
厳冬期に、夏用のインフレータブルマットと重ねるだけで地面からの冷気が遮断できる、超高性能な遮熱素材であり、ULハイカーのナレッジとして知られている。
私も厳冬期用マットを買わずに、アストロフォイルと夏用インフレータブルマットで頑張っていたが、なにぶん寝相が悪くてマットがズレたり身体が脱落しまくるので、7年越しにようやく厳冬期用のエアマットを買った。
なので、使わなくなったアストロフォイルを再利用することにした。
作り方は簡単。アルファ米や小さめのジップロックの袋のサイズに合わせ、ハサミでチョキチョキ切って、ケース状に折りたたみ、ダクトテープで留めるだけ。この時、熱を逃さないための蓋ができるように設計しておく。ものの10分で完成。
さて、コジーができたら次はレシピである。
何か参考になるようなレシピはないかと調べたが、ULだと具入りのアルファ米をそのまま食べるパターンが多いようで、凝ったレシピのようなものが見当たらない。
しかし、昔のワンダーフォーゲルの雑誌を見返してたら、軽量化特集にレシピが載っていた。
それを参考に以下のような材料ををziplockに入れた。
・アルファ米
・塩昆布
・梅ちりめん
・スライス干椎茸
・高野豆腐
・手毬麩
・顆粒出汁
・塩
そして保温コジーにセット。お湯を注いで待ってみる。
雑炊風にお湯の量は多めにしてみた。
しかし、予想外に熱い!
ジップロックの蓋がちゃんと閉じてなくて、お湯がこぼれてしまった!
((((;゚Д゚)))))))
ただ、お湯は多めに入れていたので大丈夫だと思うが・・・。
原理としては、アストロフォイルによる遮熱によって煮込めるので、普通にお湯を注いで戻すより早いはず。6-7分ほど待ち、蓋を開けて食べてみると・・・
『アツアツだぁ!』
(*´∇`*)
アルファ米を普通に戻すと、時間もかかり、生ぬるくて残念な感じになるが、炊き立てのご飯のようにアツアツである。高温がキープされ、調理時間が短いので冷めないのだ。
高野豆腐や、干し椎茸が短時間で戻るか心配だったが、フワフワ。
コジーの中で煮込まれている状態なので、乾物が戻るのが早いようだ。
流石アストロフォイル。
宇宙工学万歳である。
ただ、ジップロックから食べるのは抵抗がある。
本当は、保温状態で食べられ、拭き取る手間がないというメリットがあるのだけど。。。
食器に盛り付けてたべた。
これならば、鍋を覆うでかいナベコジーを作ってよそって食べるでもいいかもしれない。
パスタや麺類も美味しく作れるようなので、色々研究開発する楽しみが増えそうである。
写真左 ジップロックに食材をセット
写真中 保温コジー
写真右 出来上がり
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