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で本日観たのがこちら
何年か前に話題になってたのは覚えてる
逆に言うと話題になってた事しか覚えてない
ノマドと言えば流浪の民とか遊牧民とか放浪者とかそんな意味なのは流石に知っている
つまりロードムービーなのだろうとそのうち観ようと心に留め置いたまま忘れてた
リーマンショックの元凶となったサブプライムローンを題材にした映画で「マネーショート華麗なる大逆転」と言う映画がある。サブプライムが破綻すると予測して空売りして儲けた人達の実話で、映画の最後で目論見通りローンは破綻、喜ぶ空売り屋達。それをブラット・ピット扮する資本家(だと思う。金とかを融通してあげてたようだったので)がたしなめる。サブプライムローンの破綻で何千万もの人が路頭に迷う、喜んでる場合じゃない、みたいな感じで。空売り屋たちは、あなたそれで大儲けしたじゃないですか、みたいな顔してぽかんとする。
いわゆるリーマンショックの影響で、実際に家を手放して車上生活を余儀なくされた人が大勢でたらしい。
「ノマドランド」は、そんな現代のノマドをドキュメントっぽく描いた作品
シュールな作品です
なにせ主演のフランシス・マクドーマンド(女性)扮するファーンが広大な平原の中で野ションベンをしてるシーンからタイトルロールが静かに現れる、そんな映画ですから
ドキュメンタリーのような構成だから、筋立てられた物語とは違って映画は雑然と進んでいく。行き当たりばったり。これが放浪してる感じがして良い。人生は小説のように綺麗な起承転結じゃ描けないって事です。道中繰り広げられる普通の会話や、現れては立ち消える毎日のどうって事のない出来事が淡々と流れていくんだけど、でも何かファーンの心に響いてる
息子を自殺で亡くした人の、「なんで息子のいない世界で私は生きてるんだろう」と言う言葉に頷き、
がんを患っているけど病院なんてまっぴらと車上生活を続ける女性の手助けをして、
恋人がいるのに放浪を続けてしまう青年には詩を贈ったらと言って詩を暗唱して(←良い詩だったけど誰の詩だろう?)、
出産控えた息子夫婦との関わり方がわからなくなって逃げている友達に、考えすぎずにおじいちゃんをやれと言う
そういう出来事全てファーン自身にその言葉が返ってきている感じ。
映画の最後の方でどちらかと言うと聞き役だったファーンが、自らの事を話し始める。私は過去を大切にしてきたけど、少しその過去を大事にしすぎたような気がすると
ファーンはその過去の象徴となっているかつて暮らした街を訪れる。今は廃墟になって郵便番号すら振られていない街だ。自分の家の中に入るけど、そのまま裏口から外に出て立ち去る。 庭からはかつてと変わらぬ砂漠が広がり奥には雪山がそびえている
過去に縛られず、だからと言って捨てもせずと言った感じですかね
ファーンがAmazonの物流センターやキャンプ場スタッフ等の短期バイトでぎりぎり食いつないで行くシーンを見ていて、昨年見た映画「PLAN75」を思い出した もっともファーンは倍賞千恵子ほどか弱くない 誰に言われてもタバコはやめないし吸ってる姿も絵になる 友達の娘に
「おばさんはホームレスなの?」
と言われて
「私はハウスレスなだけでホームレスじゃない」
と即答する。最高に格好良い
こんな格好良いばあちゃんがアメリカにはごろごろしてるのかなあ
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