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内容は昭和5年に起きた、北アルプスの剣沢で起きた遭難について書かれた物でした。
当時の写真が何枚も入っていてなまなましく、また遺書が有った事には驚きました。
この遭難は、就寝中に雪崩で小屋が破壊され6人(4人の登山者と2人の案内人)が亡くなったもので、最近読んだ、谷甲州 著の「単独行者(新・加藤文太郎伝)」のなかの「1月の思い出」に書かれていたので憶えていました。
加藤文太郎 著の「単独行」にも同じ「1月の思い出」という見出しで書かれており、実際に遭難する直前の6人に加藤文太郎氏は会っています。
この「剣沢に逝ける人々」は昭和6年に発行された本の復刻版で、昭和53年発行となっていましたが、読んでみると所々ページが袋とじ状態で読めない・・・
図書館に持って行き「切って良いですか?」と尋ねると「こちらで切りますので一旦返却してください」との事。
昭和53年から今まで誰にも読まれていなかった?らしい。
図書館で「代わりにこちらでも読めます」と勧められたのが「世界ノンフィクション全集5」1960年でした。
これには、「剣沢に逝ける人々」に次に「松尾峠の思い出」が収められていました。
この「松尾峠の思い出」は大正12年の1月に起こった遭難の記録で、この時遭難死した板倉勝宣氏を追悼する為に、剣沢小屋で遭難死する6人のうち5人は剣沢小屋に移動する前に弘法茶屋から松尾峠に登っており、加藤文太郎氏も同行しています。
「松尾峠の思い出」は遭難した3人のパーティの生き残った槇有恒氏と三田幸夫氏により書かれたもので、非常に迫力がありました。
これの元は、三田幸夫監修「ケルンに生きる-遭難の手記-(ニ玄社:1959年4月15日発行)にあるらしいが、図書館にはありませんでした。
「松尾峠の思い出」は槇有恒氏による「板倉勝宣君の死」と三田幸夫氏による「松尾坂の不思議な幻影」で構成されていますが、「板倉勝宣君の死」は、槇有恒 著「山行」1973年にも収められています。
この「山行」には注釈と経路を示す地図(略図)がありました。
図書館に感謝、古い本も面白いです。
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