「竜ヶ岳」にはなにか目当てがあったわけでもなく、我が敬愛する「ビスタ〜リ ビスタ〜リ」のおねえさんの最後に更新された山が「竜ヶ岳」で、LOWAタホーの初卸しの記念にはちょうどいいなぁ、と考えたからでした。
※「ビスタ〜リ ビスタ〜リ」の山記録はちゃんと本年6月までありますので、最後の更新とはいえないかもしれません。
http://bistari.jp/bistari/index.htm
鈴鹿山系の山には過去、そこが鈴鹿山系であれば霊仙山に行ったことがありましたが、どう考えても鈴鹿山系ということであれば、今回の「竜ヶ岳」になるかと思います。これはちょっとびっくりするほど美しい山容でした。比良とはまた違う。
鈴鹿峠を越えるということは東西変わりなくやはり別世界への誘いであったのだな、と少し殊勝な気分?にもなりました。
で、今回がLOWAタホーの履き初めということになったのですが、まず降りてきてからKEENのシューズに履き替えたときに、初めてソールなるものを意識いたしました。KEENのシューズが大げさでなくそこらのスリッパのように思えたのです。
ありゃりゃ、これはなんだ!靴というよりソールが一直線に頭の中をよぎり、俺はなんと板を履いていたのか、と思ったくらい・・・。
知っている人は知っている?タホー関西系の以下独り言・・・
そうでっしゃろ、お客さん!ワシがアンタの足をこうして守っておりまする!
「竜ヶ岳」の金山尾根からの登りでは、黒光りするタホーが少々派手目に見えたかもしれません。そしてそこはタホーでっせ!大きな声では言えませんが、わかりまっか!ちょっとは声をかけてくれはったら、少々照れながら、タホーですが・・・何か・・・ぐらいはお返事いたします・・・とちょっと山男気分で登ります。そこはタホーですから、いわばポルシェ乗りがトヨタ・モンベル軍団?に負けるわけには行きません・・・。しかし、二組にいとも簡単に追い抜かれていきました。そのあとはどなたともお会いしておりません・・・
ビスタ〜リ、ビスタ〜リ?
でいいんですが、しかし、脱いでから思いました。やはりタホーは重い?
まぁ、近場では確かにタホーでもないかもしれません。
そこは訓練、訓練。今回でもしっくり足には合ってきた・・・ちょっと軽いシワも出来たりして・・・
で、急に思い出しました。
その昔、穂高岳小屋で朝、身支度を終え、いざ、帰らんと立ち上がり、ウロウロ?していたら見知らぬ老紳士が声をかけてくる。
「そのあなたの靴、あなたの靴?・・・」
「・・・はぁ?そうですが・・・何か?」
「・・・いやぁ・・・ボクの靴とよく似ているモノで・・・」
「・・・いやぁ、これはボクのです!」
「・・・いやぁ、ボクの赤いのとよく似ているから・・・」
「・・・これ、ボクのですよ!」
もちろん、実に穏やかにそして自信にあふれ迷うことなく、上記のようなやり取りを終え、そう気にもせず小生、小屋を後にしました。
そういや、小屋ではスタッフの人が利用者にその手のアナウンスをされ、注意を喚起されていたような気もする・・・
そうこうザイテンのとりつきあたりで、たぶん、足下を見たんだと思う。どうも本来あるはずのスポルティバのロゴがないんである??
そこで気づきました・・・「ボクの靴」ではない・・・
あわてて小屋へ戻ると、老紳士はまだ探しておられた・・・
「ご主人、誠に申し訳ありません・・・」
老紳士は特段お叱りもなく、お許しくださった・・・
ボクの靴は泊まった部屋の靴棚にポツンと寂しそうに残っておりました・・・
小生、この情けない話を懺悔のために公開するのではありません。
実はあの間違えた老紳士の靴ほど、小生の足にピッタリだった靴を知らないんである・・・
もうお見事というくらい・・・
どこのメーカーだったか、そういうことを落ち着いて確かめる状況ではもちろんないんである・・・
そしてそれはLOWAタホーではない・・・そしてそれは確かな穂高の思い出のひとつです・・・あぁ!
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