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表題の短編他全15篇が収録されている。
山が見ていた
御岳山・大岳山が出てくる。
今は奥多摩駅と呼ばれている駅名も旧駅名「氷川」で出てくる。
冬の大岳山を歩いたことがあるが、この小説にあるほど遭難するような場所ではないが、可能性がゼロではないのでまあよしとしよう。
新田ミステリーは、サスペンスを意図するミステリーより心理的ミステリーが多いし、また面白い。
山靴という一篇では鹿島槍ヶ岳が出てくる。それも冬の鹿島槍、大冷沢出合から一ノ沢頭、三ノ沢頭、三ノ沢鞍部からジャンクションピークへ行こうとする。
吹雪に遭いビバークするとき、借りた靴が自分の足に合わずに靴を脱いでビバークできずに足の指を凍傷で失うというストーリーに人間模様が絡まる。
今でこそ当たり前のソールだが、当時は貴重なビブラムソール、靴のソールがビブラムでなかったためという話だ。
昔はビブラムソールが一般的でなく、鉄の鋲が打ってある鋲靴が一般的だったのだ。
登山ギアの進歩は自分のような素人登山者にもアルプスの山々へ出かけるチャンスを与えてくれているのだ。
幽かな記憶で、高校時代に槍ヶ岳に仲間と出かけたときに、キスリングザックが重かったことと、着る物もほぼ普段の服装やジャージだったことを思い出す。靴も重たい革靴だった。
登山ギアの進歩に感謝するとともに、そういったギアが無かった頃の山へ登ることの危険と、そののなか山々へ向かった先人たちに思いを馳せ、これからの山歩きを楽しませて貰おう。
時代的古色は隠せないが、様々な教訓を与えてくれ面白かった短編集であった。
たぶん当時はそれほど大差はなかったと思います。(体力はあり知識はあまりなかった)
キスリングとナイロンのアタックザックは相当の重量差はあったと思いますが、
あまり疑問も持たずに使用していた?
ゴアテックスがやっと出てきた黎明期です。
年齢とともに多少値段は張るが重量と性能追及しています。
今でも最高と思えるローテク品はわらじです。
沢の中のぬめりや苔の生えた石にはこれが最高。でも、いまや高価で消耗が激しいのが難点です。
コメント有り難うございます。
草鞋(わらじ)は沢だけでなく歩くのに足に良いと聞きます。
鼻緒を掴んで歩くからでしょうか。
先日のTVでビーチサンダルの原型はわらじであり、日本の兵庫のメーカーがアメリカの企業と連携して作った優れものだと紹介されていました。
わらじは何処で入手できますか?沢の中では威力発揮するし、長い林道歩きはビブラム底の登山靴より楽かも・・・などと思いました。
そういえば、ヤマレコでワラチー(ビーチサンダルのようなトレラン?シューズ?)
を履いている人がいました。ほぼ素足のようなものなので登りは恐ろしく速いみたいです。下りや石のある所は恐ろしそうですね。
3年前ほど前のトレラン大会では素足で走っている人がいました。砂利のある林道も走っていて、もはや超人ですね。30年前以上にネパールに行きましたが、街道を荷物運び(トレッキングとは無関係の一般の人)の人は素足でしたね。
走る民族ララムリ
グレイトレースで知りましたが、彼ら彼女らが山岳を走る時の履物が草鞋にそっくりでした。
https://www.ntv.co.jp/gyoten/backnumber/article/20170808_03.html
https://www.a-kimama.com/tozan/2020/04/106809/
https://www.nhk.jp/p/greatrace/ts/3276W96Z6Q/episode/te/RQQ6Q3NYPP/
ワラーチン これはまるで草鞋です。
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