1月、真冬の夜明け前、厳しく冷え込む中、般若心経を唱えながら滝に打たれる。チョロチョロの水だが、それがまた寒さを助長する。体が震えて歯がガチガチと音を立てる。滝から出ても、しばらくは体の震えが止まらない。
真冬に水量の多い滝に入るのは、結構な危険を伴う。自分では出られなくなることもあるので、すぐ脇に誰かを置く必要がある。龍神(水を司る神様)に巻かれて動けなくなると、聞いたことが有るが低体温症(ハイポサーミア)であろう。
お世話になっているお寺の毎年恒例の年始行事で柴灯護摩法要がある。火の中に願い事を書いた護摩木を焚べて、祈願成就を祈る。最後は護摩檀を崩し均して、その上を歩く。火渡り行である。まだ燃やす勢いのある炭の上を歩くので、足を火傷する。諸先輩方の足の水ぶくれのひどい火傷を知っているので、よけいに恐怖心を煽られる。意を決して、不動明王の印を結んで何度も火の上を渡る。
それでも何度か経験を積むと、だんだん火傷しなくなってくる。恐怖心に囚われているときは駄目だが、覚悟を決めて火に入ると、アッ行けた、となる時がある。今日は火が熱くなかった、とか言い出す人もいるので、不思議なものである。
「水行は水の命を、火渡り行は火の命を感じるための行である」とご住職は言う。奥深い世界である。
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