派遣会社に登録した事がきっかけで、オリンピック・パラリンピックの期間中、会場で警備のバイトをしていました。
会社で法令で定められた時間の研修を受講。
そして大会が始まり、会場の出入口や駐車場で配置に付いたのですが…
果たして自分みたいな、にわか仕込みの警備員に仕事がちゃんと出来るのか?
しかし、やってみれば何とかなるものです。
色々と小さなトラブルはあったものの、無事に大会の警備の仕事を終えました。
まぁやれやれです。
会社で受講した研修で、初めて知った事がありました。
それは警備員に出来る事に関してです。
警備員は警察官とは根本的に違います。
警備員に出来る事は、あくまでも「お願い」ベースなんです。
例えば、警備している施設の敷地内で喫煙している人がいたとします。
その人に対して
「タバコを吸うな」
と命令する事は出来ません。
「喫煙はご遠慮ください」
と、お願いする事しか出来ないのです。
無視されたとしても、それはそれで仕方ありません。
挙動不審な人がいたとしても、警備員に出来るのは
「どうかなさいましたか?」
と、声をかける事だけです。
警察官のように職務質問したり、持ち物検査したりする事も出来ません。
威圧的な態度を取ったり、説教するなども、もっての他です。
たまにテレビで見ますが、スーパーの警備員が万引犯を事務所に連れて行き、説教するシーンがありますよね。
研修の講師の話しでは、あれは真っ赤な嘘だとの事です。
あれは監禁罪になり、もし訴えられたら確実に負けるそうです。
速やかに警察に連絡し、速やかに警察官に万引き犯を引き渡さなければならないのです。
警備員の仕事は、あくまでも犯罪の抑止効果なのです。
オリパラの仕事が終わった後も、単発ですが警備の仕事が来ます。
自分にとっては貴重な現金収入源なので、喜んで行かせてもらってます。
しかし最近は物騒な事件が増えて来たので、ちょっと心配になって来ました。
もしナイフを振り回している人がいて、助けを求められたら…
会社からは、身の危険を感じたら逃げろと言われています。
でも、一般の人は警備員も警官も同じだと思っている人が多いんですよね。
助けを求められた警備員が真っ先に逃げ出してしまっては、それこそクレームになるような気もしますけどね。
もし登山帰りの電車の中で、ナイフを持った人が向かって来たら…
私はストックを振り回したりザックを盾にしたりして、死に物狂いで応戦すると思います。
でも仕事中だったら…逃げると思います。
だって警察官のように警棒、拳銃も持っておらず、銃弾やナイフの刃を防ぐチョッキも着用していない、完全な丸腰状態ですから。
私の日記で、警備員は警察官とは根本的に違うんだという事が、分かっていただければ幸いです。
公共交通機関を利用する時、スマホばかり見ていないで周囲に気を配りましょう。
最終的に、自分の身を守るのはやはり自分だと思います。
他人の命は勿論大事だけど、その前に自分の命があってこそだと思います。
死んで英雄扱いなんかされても、身内は誰も喜びませんよね。
研修時に講師から聞いたのですが、まず自分自身の身の安全を確保してから行動するのは警備員に限らず、警察官、消防官、そして自衛官も同じだと。
山岳遭難の場合の救助隊も同様だと思います。
物騒な下界から離れた登山は、せめて安全に楽しみたいですね。
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