杣口林道の西沢橋から尾根に取り付き、小烏山の頂上に着くと、立木に小さな手作りの道標が付けられていた。
良く見れば、文字を彫刻刀で彫ってある。
なるほど、考えたものだ。
これなら風雨にさらされても、文字が読めなくなる事はない。
一休みして烏ノ尾根へ向かう。
小烏山から北へ鞍部に下り、烏ノ尾根へと登って行くと、標高1500m付近に岩場が現れた。
とても直登出来ないので、岩場の基部を右上へと、薄い踏み跡を頼りに急斜面を巻いて登る。
この踏み跡でいいのだろうか?
ここは逆コースの時はルーファイが難しそうだなと思いながら登って岩場を巻き、やっと尾根上に復帰。
するとそこにも、手作りの道標が付けられていた。
逆コースで下る人を対象に「右は危険」と彫られている。
バリエーションルートは自己責任でルーファイするのが原則だが、それでもやっぱりこのような親切な道標があるのは有り難い。
きっとこの山域に精通している人が付けてくれたのだろう。
東御殿を往復してから大烏山へ向かう。
笹原が広がり、紅葉したブナ林の尾根を登って行くと、三角点のある駒ヶ根場と呼ばれるピークに着く。
ここからは樹林の間から城塞のような乾徳山が見える。その姿は立派な岩山だ。
駒ヶ根場から滑りやすい木の枝に注意しながら鞍部へ下り、大烏山への最後の登りになる。
笹原の中の薄い踏み跡を登り、西沢橋から約6時間かかってようやく大烏山に着いた。
岩場あり笹原あり、そして自然林ありの、なかなか変化に富んだ尾根だった。
大烏山からは南へ、杣口3号橋へと下る。
その途中からは左上に歩いて来た烏ノ尾根が見え、反対側の斜面のカラマツ林は黄金色に染まっていた。
杣口3号橋からは杣口林道を西沢橋へとのんびり歩き、クルマを回収して帰途についた。
楽しい1日だった。
画像は小烏山の手作り道標と、駒ヶ根場から見た乾徳山。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する