自分がまだ中学1年生か2年生だった頃の事。
今から50年も前だが、両親に
「友達と一緒だから」
と嘘をついて、1人で山歩きに行った。
場所は奥武蔵の二子山と武川岳。
手には西武鉄道の池袋駅で入手した奥武蔵のガイドマップ。
背中には遠足用のリュックの中に弁当と水筒。
そして足には母親に買ってもらったキャラバンシューズを履いていた。
芦ヶ久保駅からまず二子山に登り、武川岳へと向かう。
途中で出会った人から何度か
「1人で来たの?」
と聞かれた記憶がある。
武川岳から山伏峠へと下る時、60歳ぐらいの年配の男性、そして30歳ぐらいの女性と一緒に下るようになった。
なぜその2人と行動を共にするようになったのか、そのいきさつは全然覚えていないのだが。
途中で道を間違えたらしく、変な場所に出てしまった。
山仕事をしている人がいたので聞いてみたのだが、どうも現在地がよく分からない。今思うとどうやら松枝地区に出たようだ。
3人で時々話をしながら車道をてくてく歩き、ようやく正丸峠に着いた。
30歳ぐらいの女性はこれから伊豆ヶ岳に向かうという。
60歳ぐらいの年配の男性は、もう疲れて歩けないので、ここからバスで下るという。
2人と別れた後、自分は徒歩で正丸駅へと下る。
両親には夕方の早い時刻に帰るからと伝えたが、この調子だと遅くなってしまうと気が焦る。
早足で下り、途中で何人もの人を抜いて正丸駅に着いた。
秩父からやって来た池袋行きの電車は満員。
疲れた自分はドアの脇にうずくまり、そのまま寝てしまった。
無事に帰宅はしたものの、嘘はとうにバレていた。そして
「子供が1人で山に行く奴があるか!」
と、両親からカンカンに怒られた。
道を間違えた事や、一緒に行動を共にした2人の事は黙っていた。
あれから50年もの年月が経過したのに、なぜかいまだに時々思い出す。
あの年配の男性は、もうこの世にはいないだろう。
30歳ぐらいの女性はまだ健在だろうか。
もしかしたらヤマレコの日記を見ているかも知れないなぁ…
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