土日は奥秩父に石楠花を見に歩こうと思っていましたが、あいにくの大雨で中止。手持ち無沙汰になってしまったので、撮りだめしているHDDから映画を見ることに。
山関係の録画番組はたくさんありますが、新田次郎「八甲田山 死の彷徨」を読み、映画化されていることを知り、たまたまBSで放映しているのを見つけて録画した映画「八甲田山」を観ました。ちょうど私が生まれて2年後に上映された映画ですねー。
内容は著書を読んでいただければわかると思いますが、戦争中の八甲田雪中行軍遭難を取り扱っています。両方から雪中行軍の主演2人は北大路欣也と高倉健。結果は明暗を分けますが、緊迫感あふれる迫真の演技。脇を固めるのが、三國連太郎、加山雄三など豪華俳優陣でビックリ!特に遭難する第5聯隊を率いる神田大尉(北大路さん)、少佐の横槍に悩まされながらも誠実さと責任感であるリーダー像に感動しました。
全体的には遭難ということで天候不良のため映像はやや暗めだが、自然の猛威により刻一刻と死が近ずく、その雰囲気で遭難という重苦しさが伝わってくる。
そんな中ふと思い出される少年時代の光景。青森のりんごの木々、ねぶた、岩木山とほっとするシーンもあり。
一見の価値ありでした。興味のある人は是非本も読んでもらいたいものです。
八甲田には登ってますが、機会があれば遭難記念像、遭難資料館にも足を運んでみたいと思います。
ヤマ555さんこんにちは
八甲田山のカメラマンは木村大作さんで、最近の「春を背負って」や「剱岳点の記」の監督で、ヤマ映画に名作多い人ですね。ヤマだけではありませんが。
八甲田の遭難は、「戦争中の」とのことですが、戦争は戦争でも前の前の前の前くらいの戦争です。1902年で、まだ日本で冬山登山をやる人がいなかった時代です。スキーも無く、アルピニズムも無い時代。化学繊維も無く、一人ゴム長をはいていた士官が生存者の中にいました。
上野から青森まで鉄道が通じたのが1891年。飛行機の無い時代で、ロシアの艦砲射撃で東北本線が不通になった際、八甲田越えで青森や弘前から八戸、十和田方面へ歩兵を移動する想定の訓練でした。
映画は1970年代の日本らしい作りです。撮影現場も苛烈に寒かったとか。原作、脚本、映像、俳優とも名作なのですが、僕は重苦しい音楽の使い方が過剰な気がしました。
危険地帯の踏査を官僚制や大組織で切り抜けるのは難しいですね。なかなか出来るものではないと思います。イギリスのシャクルトンは同じ時期に南極海からエンデュアランス号の全員生還を果たしていますから、出来る人には出来るのかな。大したものだと思います。
青森市郊外の墓地と資料館、お勧めですよ。
yoneyamaさんコメントありがとうございます。
カメラマンさんのことはまったく気にしていませんでしたが、有名な方なんですね。春を背負っては映画見に行くつもりでした。
冬山は私も少しやりますが、映画に出てくるような腰までラッセルでは10キロもとても歩けないでしょう。映画の中でも地元の人が無謀すぎると言っているくらい、未知の領域と化す凄絶な環境なのでしょう。そんな中遭難してまだ生存者がいたのだから凄い生命力です。
組織で動く際に指揮系統が2つあると上手く機能しないのは、いつの時代も同じですが環境が厳しいだけに致命的だったのでしょう。当時の軍では上官に逆らうなどできないでしょうし。
映画撮影当時だって、まだまだ装備は今と比べれば脆弱ですよね。厳しい環境で撮影を成功させた俳優陣が今揃って名俳優になっているわけですが、当時の苛烈な撮影現場をくぐって来たからこそ名俳優になっているのかと妙に納得してしまいます。
八甲田は南部を歩いていないので、いつの日かまた行きます。そのとき青森市郊外の墓地と資料館も訪ねたいと思います。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する